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高校野球

ダブルエースが休養十分で臨んだ決勝戦――東北初制覇をもたらした須江監督の投手マネジメント<SLUGGER>

氏原英明

2022.08.23

18年の就任後、たった5年で東北勢初の全国制覇をもたらした須江監督。これまでの高校野球とは一線を画す投手マネジメントで頂点をつかんだ。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

18年の就任後、たった5年で東北勢初の全国制覇をもたらした須江監督。これまでの高校野球とは一線を画す投手マネジメントで頂点をつかんだ。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 高校野球の監督がする“決断”にはいくつかある。

 先発投手を誰にするのか。ラインアップはどうするか。あるいは、試合における作戦はどうか、継投策はどうするかなど、あらゆるケースで“決断”に迫られる。

 仙台育英の須江航監督の決断が優れていたのは、準決勝の聖光学院戦で2回に11得点を奪った後だ。これが東北勢悲願の初優勝に近づく的確なマネジメントだった。

「怖いくらいに想定通りに行きました」

 優勝後のインタビューでその場面を振り返った須江監督の言葉だ。準決勝の時、11対1と大量リードの2回を終えると、先発の高橋煌稀を降板させたのだ。

 大差がついたとはいえ、先発投手をたった2イニングで交代させる。
 
 それは簡単にできることではない。それだけに、この時初優勝へのカウントダウンが始まったと言ってよかった。この後、仙台育英はパワーピッチャーの湯田統真、仁田陽翔と繋いで試合を締めた。

 須江監督は大会初戦となる2回戦が終わった時点で、ある程度その後の青写真を描けていたようだ。
 
「初戦のところで、一番安定しているピッチャーは誰と言われたら高橋だった。そして一番ボールにキレがあり、威力があるのが斎藤蓉だった。そして一番経験が豊富なのが古川翼。この3人を軸にどこで回していくかっていうことを考えていました。そして、万が一有利な展開やイニングを送ってほしい展開の時は湯田と仁田が備えていると言う形にしていました」
 
 この言葉からも分かるように、須江監督は高橋・斎藤の二人に全幅の信頼を置きながら、困った時には古川の力を借りる。その算段だった。つまり、準決勝では大差がついた時点で斎藤蓉を温存し、高橋の投球イニングも抑えたと言うわけである。

 須江監督が継投策にこだわるのは、彼なりの勝利のための考えがある。
 

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