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敵地が熱狂した大谷翔平の快投でジャッジとのMVP論争も“再燃”。米記者は「オオタニは誰も真似ができない」と異論主張

THE DIGEST編集部

2022.08.29

またしてもMLB史をこじ開け、歴史を作った大谷(左)。その活躍はジャッジ(右)とのMVP争いにも影響をもたらしている。(C)Getty Images

 プレーするたびに"歴史"を作る。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の二刀流としての凄みが出た試合だった。

 現地時間8月27日に敵地で行なわれたトロント・ブルージェイズ戦で、大谷は「3番・DH兼投手」として先発登板。打っては相手先発のアレック・マノーアに2打数無安打と抑え込まれたが、投げては7回(109球)、被安打2、奪三振9、無失点と好投。今季11勝目を挙げた。

 マノーアとのしびれる投手戦には、4万5311人という超満員の観客も酔いしれた。そのなかで28歳のサムライは、最速100マイル(約160.9キロ)の4シームと大きく横滑りするスライダーを軸に、ブラディミール・ゲレーロJr.らを擁する強力打線を翻弄。MLBでは1876年のルイビル・グレイズのジム・デブリン以来となる同一選手としてイニング数と打席数でチームトップとなった。

 ヒストリカルな価値を示した大谷。そんな偉才の大活躍を受け、現地では"とある指摘"が目立った。それは「オオタニはやっぱりMVPにふさわしい」というものだ。

 今季のMLBにおいて大谷がMVPの有力候補に挙げられていたのは周知の通りだ。しかし、最近ではア・リーグのシーズン本塁打記録(ロジャー・マリスの61本)を破る62本ペースで本塁打を量産するニューヨーク・ヤンキースの主砲アーロン・ジャッジを推す声が強まっていた。
 
 実際、MVP選出の際に有用である「WAR」は、ジャッジが両リーグトップの7.5で、大谷は6.8と差がついており、ヤンキースの怪物スラッガーが名実ともに「最も価値がある選手」と呼べると言われている。

 しかし、今回のブルージェイズ戦後に大谷を推す声がにわかに強まり始めている。米メディア『The Athletic』に寄稿するジャーナリストのエリック・ステファンズ氏は自身のツイッターで「正直言って、誰がMVPでも気にはしない。ジャッジならそれはそれでふさわしいし、素晴らしい」と前置きし、こう記した。

「ジャッジが凄まじいシーズンを過ごしているのは認める。だけど、ショウヘイ・オオタニがやっていることは誰も真似ができない。時代のエースとして、シーズン30ホームランと200奪三振を目指しているんだからね」

 この意見にファンから「MVPはジャッジだ。エンジェルスの状態を見て、公平に判断してもらいたい」とリツイートされたステファンズ氏は、「それはたしかにそうだ。私はジャッジでも間違いではないと思っている」として異論を論じた。

「たとえば、バスケットボールはスーパースターが1人いれば勝てるものだ。だけど、野球は違う。オオタニがやっていることは、この先、二度と見られないかもしれないんだ。それを我々は味わうべきじゃないか? 私は公平に言っている」

 現地で議論が白熱するのは、大谷とジャッジに絞られた感もある今季のMVPレースがいかにハイレベルなのかを物語っているとも言える。はたして、そのなかで異彩を放ち続ける日本人は2年連続受賞を果たせるのか。残り約1か月となったシーズンでのパフォーマンスに注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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