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MVPやサイヤング賞にも匹敵する勲章――秋山翔吾がロベルト・クレメンテ賞にノミネートされる日

2019.11.22

ゴールデンスピリット賞を受賞した秋山。いつかメジャーでも、ロベルト・クレメンテ賞の候補になる日が来るかも? 写真:徳原隆元

 11月21日、西武からFAになった秋山翔吾がゴールデンスピリット賞の表彰式に出席した。同賞はプロ野球人の社会貢献を表彰するもので、秋山はひとり親家庭の親子を試合に招待する活動が評価されての受賞となった。

 秋山が来季から活躍の場を移すメジャーリーグでは、同じように選手の社会活動を表彰する賞としてロベルト・クレメンテ賞がある。メジャーリーグでは社会活動に熱心な選手が多いことはよく知られているが、今年ノミネートされた各候補の活動を見ると、その規模や内容が日本とは桁違いであることが分かる。

 オリオールズの主砲クリス・デービスは妻とともに病気の子供たちを助ける活動に携わっていて、先日、メリーランド大小児病院に300万ドル、日本円にして何と3億2600万円近くを寄付して話題を呼んだ。ここ2年は打率1割台と大不振で、ファンからブーイングを浴びることもしばしばあるデービスだが、地域活動では大活躍を続けている。
 
 自身もかつてガンを克服した経験を持つジョン・レスター(カブス)は「NVRQT(Never Quit=絶対にあきらめるな)」という団体を設立。ガンの研究や病に冒された子供たちのケアのため、これまで総額200万ドル(約2億1600万円)以上を調達した。

 ロイヤルズ生え抜きのアレックス・ゴードンは野球振興に力を入れていて、2016年にはカンザスシティのユースアカデミーに76万7000ドル(約8300万円)、母校のネブラスカ大の施設改装資金として100万ドル(約1億800万円)を寄付した。

 子供時代に親友が射殺された経験を持つティム・アンダーソン(ホワイトソックス)は、暴力被害に遭った子供たちにリーダーシップを学んでもらう活動を展開。自らニグロリーグ博物館見学ツアーを引率し、今後はアトランタにある公民権人権センターへの見学も計画しているという。そこには、アフリカン・アメリカンとしての誇りを子供たちに植え付けたいという意志が感じられる。