この勢いは本物と見ていいだろう。
現地時間9月11日、シアトル・マリナーズは本拠地でアトランタ・ブレーブスと対戦。9回裏にエウヘニオ・スアレスがサヨナラ本塁打を放って8対7で勝利した。決着の仕方を考えれば、その盛り上がりがとんでもなかったことはお分かりいただけるだろうが、9回のドラマチックな展開は「劇的」という言葉では形容しがたいものだった。
【動画】4点差リードから逆転→ロドリゲスの同点弾、スアレスのサヨナラアーチでマリナーズ大勝利
昨季の世界一チーム、ブレーブスとの3連戦はここまで1勝1敗。マリナーズは2001年以来のポストシーズン進出に向けてワイルドカードを、ブレーブスはニューヨーク・メッツと激しい地区優勝争いを演じており、ともに“負けられない戦い”が続いている。この日は、序盤からマリナーズのペースで試合が進んでいった。
初回、マリナーズは新人王候補にして史上最大18年4億7000万ドル(約635億円)の延長契約を結んだフリオ・ロドリゲスがソロ本塁打を放って幸先よく先制。4回に同点に追いつかれたものの、直後に3点を追加。先発左腕のマルコ・ゴンザレスがブレーブス打線を6回2安打1失点に抑える好投を見せ、8回を終えて6対2の4点リードで最終9回を迎えた。
点差もあって、マリナーズは守護神のポール・シーウォルドではなく、中継ぎ右腕のディエゴ・カスティーヨをマウンドに送る。2者連続四球でピンチを作りながらも2アウトまでこぎつけ、場内は「あと一人」コールが響き渡ったが、ここからが長かった。
8回に一発を放った売り出し中のマイケル・ハリス2世が、フルカウントから2打席連発となる3ランを叩き込んで1点差に詰め寄られてしまうのだ。たまらず抑えのシーウォルドを投入し、2ストライクまで追い込むもヒットで出塁を許すと、続く9番のロビー・グロスマンに勝ち越しとなる2ランを被弾。大興奮の熱を帯びていたTモバイル・パークの場内は一瞬にして冷めきってしまった。
最悪の展開。「今年もプレーオフは無理なのか……」。そんな言葉がよぎりそうな中、一人の選手だけは違った。次代のマリナーズの顔であるロドリゲスは、センターからダグアウトへ向かう途中、笑顔を浮かべていたのだ。その姿を見たTV実況は「自信がみなぎった表情ですね。ロドリゲスが笑顔ですよ。『心配するな、俺に任せろ!』って感じですかね」。そして1死後、ロドリゲスに打席が回ってくる。
対峙するは、ナ・リーグ最多33セーブのケンリー・ジャンセン。カウント1―1、ロドリゲスは甘く入ったスライダーを強振すると、角度17度のライナーは左翼席のスコアボードに直撃する同点アーチに。雄たけびを上げるロドリゲスに呼応するように、再び場内のボルテージは大きく上がる。そして2死走者なしから、スアレスがこの2本目となる一発を左中間に叩き込み、マリナーズがサヨナラ勝利を収めたのだった。
MLB公式が「何て試合だ……」と驚嘆すれば、『DraftKings』などで執筆するジェレッド・カラービス記者も「今季最高の試合だ!」と大絶賛する衝撃的なゲーム。「今年のマリナーズは本物だ!」と印象付ける名試合だったのは間違いない。これで79勝61敗としたマリナーズはトロント・ブルージェイズをしてワイルドカード2位に入り、1位のタンパベイ・レイズにゲーム差0.5まで迫っている。
構成●THE DIGEST編集部
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現地時間9月11日、シアトル・マリナーズは本拠地でアトランタ・ブレーブスと対戦。9回裏にエウヘニオ・スアレスがサヨナラ本塁打を放って8対7で勝利した。決着の仕方を考えれば、その盛り上がりがとんでもなかったことはお分かりいただけるだろうが、9回のドラマチックな展開は「劇的」という言葉では形容しがたいものだった。
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昨季の世界一チーム、ブレーブスとの3連戦はここまで1勝1敗。マリナーズは2001年以来のポストシーズン進出に向けてワイルドカードを、ブレーブスはニューヨーク・メッツと激しい地区優勝争いを演じており、ともに“負けられない戦い”が続いている。この日は、序盤からマリナーズのペースで試合が進んでいった。
初回、マリナーズは新人王候補にして史上最大18年4億7000万ドル(約635億円)の延長契約を結んだフリオ・ロドリゲスがソロ本塁打を放って幸先よく先制。4回に同点に追いつかれたものの、直後に3点を追加。先発左腕のマルコ・ゴンザレスがブレーブス打線を6回2安打1失点に抑える好投を見せ、8回を終えて6対2の4点リードで最終9回を迎えた。
点差もあって、マリナーズは守護神のポール・シーウォルドではなく、中継ぎ右腕のディエゴ・カスティーヨをマウンドに送る。2者連続四球でピンチを作りながらも2アウトまでこぎつけ、場内は「あと一人」コールが響き渡ったが、ここからが長かった。
8回に一発を放った売り出し中のマイケル・ハリス2世が、フルカウントから2打席連発となる3ランを叩き込んで1点差に詰め寄られてしまうのだ。たまらず抑えのシーウォルドを投入し、2ストライクまで追い込むもヒットで出塁を許すと、続く9番のロビー・グロスマンに勝ち越しとなる2ランを被弾。大興奮の熱を帯びていたTモバイル・パークの場内は一瞬にして冷めきってしまった。
最悪の展開。「今年もプレーオフは無理なのか……」。そんな言葉がよぎりそうな中、一人の選手だけは違った。次代のマリナーズの顔であるロドリゲスは、センターからダグアウトへ向かう途中、笑顔を浮かべていたのだ。その姿を見たTV実況は「自信がみなぎった表情ですね。ロドリゲスが笑顔ですよ。『心配するな、俺に任せろ!』って感じですかね」。そして1死後、ロドリゲスに打席が回ってくる。
対峙するは、ナ・リーグ最多33セーブのケンリー・ジャンセン。カウント1―1、ロドリゲスは甘く入ったスライダーを強振すると、角度17度のライナーは左翼席のスコアボードに直撃する同点アーチに。雄たけびを上げるロドリゲスに呼応するように、再び場内のボルテージは大きく上がる。そして2死走者なしから、スアレスがこの2本目となる一発を左中間に叩き込み、マリナーズがサヨナラ勝利を収めたのだった。
MLB公式が「何て試合だ……」と驚嘆すれば、『DraftKings』などで執筆するジェレッド・カラービス記者も「今季最高の試合だ!」と大絶賛する衝撃的なゲーム。「今年のマリナーズは本物だ!」と印象付ける名試合だったのは間違いない。これで79勝61敗としたマリナーズはトロント・ブルージェイズをしてワイルドカード2位に入り、1位のタンパベイ・レイズにゲーム差0.5まで迫っている。
構成●THE DIGEST編集部
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