村上宗隆(ヤクルト)が史上8人目の三冠王達成に迫っている。打者にとっての“究極の称号”とも呼べる三冠王にまつわる秘話を紹介しよう。
▼三冠の最大のネックとは?
今季の村上は、すでに本塁打・打点の二冠はほぼ確定しているが、打率だけは大島洋平(中日)と激しい競り合いになっている。
「打率が三冠王のネックになる」というのはこれまで多くの“三冠候補”たちも通ってきた道だ。二冠王で残り1部門がリーグ2位に終わったケースは過去23回あるが、そのうちほぼ半分の12回が首位打者を逃したもの。さらに、厘差で競り合ったケースは7回もあって、特に56年の中西太(西鉄/現西武)は1位にわずか4毛差という超僅差で快挙を逸している。
一方、本塁打王だけ逃したケースは5回。このうち2回は同じ選手が“三冠ストッパー”になった。統一球導入間もない2012年、多くの打者が対応に苦しむなか、驚異的なペースで打ちまくったのが阿部慎之助(巨人)で、打率.340は2位の坂本勇人(.311/巨人)に3分の差をつけて1位。104打点も2位のウラディミール・バレンティン(ヤクルト/81)に23点差だったのだが、本塁打では逆にバレンティンに4本差(阿部27本/バレンティン31本)をつけられてトップを奪われた。
翌年はトニ・ブランコ(DeNA)が、同じくバレンティンと激しいタイトル争いを展開。打率と打点ではブランコがわずかな差でタイトルを取ったのだが、本塁打では歴代最多の60本を放ったバレンティンにはるかに及ばず(19本差)、三冠王は幻に終わった。
打点王を逃した残り6回のうち、半分の3回は“三冠ストッパー”が同じ人物だ。68~70年は王貞治(巨人)が首位打者・本塁打王を手中にしながら、打点王はいずれも長嶋茂雄(巨人)に奪われている。逆に王が長嶋の三冠を阻止したケースもあり、ある意味ON砲は“両雄並び立たず”だったのだ。
▼三冠の最大のネックとは?
今季の村上は、すでに本塁打・打点の二冠はほぼ確定しているが、打率だけは大島洋平(中日)と激しい競り合いになっている。
「打率が三冠王のネックになる」というのはこれまで多くの“三冠候補”たちも通ってきた道だ。二冠王で残り1部門がリーグ2位に終わったケースは過去23回あるが、そのうちほぼ半分の12回が首位打者を逃したもの。さらに、厘差で競り合ったケースは7回もあって、特に56年の中西太(西鉄/現西武)は1位にわずか4毛差という超僅差で快挙を逸している。
一方、本塁打王だけ逃したケースは5回。このうち2回は同じ選手が“三冠ストッパー”になった。統一球導入間もない2012年、多くの打者が対応に苦しむなか、驚異的なペースで打ちまくったのが阿部慎之助(巨人)で、打率.340は2位の坂本勇人(.311/巨人)に3分の差をつけて1位。104打点も2位のウラディミール・バレンティン(ヤクルト/81)に23点差だったのだが、本塁打では逆にバレンティンに4本差(阿部27本/バレンティン31本)をつけられてトップを奪われた。
翌年はトニ・ブランコ(DeNA)が、同じくバレンティンと激しいタイトル争いを展開。打率と打点ではブランコがわずかな差でタイトルを取ったのだが、本塁打では歴代最多の60本を放ったバレンティンにはるかに及ばず(19本差)、三冠王は幻に終わった。
打点王を逃した残り6回のうち、半分の3回は“三冠ストッパー”が同じ人物だ。68~70年は王貞治(巨人)が首位打者・本塁打王を手中にしながら、打点王はいずれも長嶋茂雄(巨人)に奪われている。逆に王が長嶋の三冠を阻止したケースもあり、ある意味ON砲は“両雄並び立たず”だったのだ。
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