MLB

「すごく力をもらった言葉」今季16勝のダルビッシュ有が胸中を吐露。気持ちが救われたスタッフの言葉とは――

THE DIGEST編集部

2022.10.05

メジャー自己最多タイ16勝をマークしたダルビッシュ有。POに向け、エースの活躍は必要不可欠だ。(C)Getty Images

 現地時間10月2日、サンディエゴ・パドレスが本拠地で2年ぶり7度目のポストシーズン進出を決めた。試合はシカゴ・ホワイトソックスに1対2で敗れたが、ワイルドカードを争っていたミルウォーキー・ブルワーズがマイアミ・マーリンズに3対4で負けたため、ワイルドカードでのプレーオフ進出が決まった。

 試合終了後、ダルビッシュ有を含めたパドレスナインはクラブハウスで歓喜のシャンパンファイトを浴びせ合い、喜びを分かち合った。4日、ダルビッシュは自身のSNSにて『note』を更新。チームのポストシーズン進出が決定したため、5日のレギュラーシーズン最終戦には登板しなくなったことを明かした。

 今季のダルビッシュは30試合に登板し、メジャー1年目に並ぶ16勝(8敗)、投球回194.2、防御率3.10、奪三振197、被安打148、与四死球49。勝利数はチームトップ。絶対的なエースとして、シーズンを通してローテーションを維持した。特に9月は圧巻だった。2日のロサンゼルス・ドジャース戦で日米通算3000奪三振(日本=1250、MLB=1750)を達成したのを皮切りに1ヶ月間で6試合に先発して5勝1敗、防御率1.85。39回を投げて被安打23、奪三振44、与四死球10と、抜群の安定感でナ・リーグの月間最優秀投手賞に選出された。

 数字にも、今季の安定感は際立つ。勝利数はナ・リーグ3位タイ。WHIP(1イニング当たり何人のランナーを出塁させたかを表す数値)は驚異の「0.95」。これはザック・ギャレン(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)の「0.89」に次いでリーグ2位の高い数字。そして、先発投手が6回以上を投げて自責点を3点以下に抑えるクオリティ・スタート(QS)は25回。これはリーグ最多記録だ。
 
 今季これ程までピッチングに安定感が増した要因について、ダルビッシュは『note』の中で、"ある出来事"が転機になったと触れている。

 5月13日。敵地アトランタ・ブレーブス戦に先発したダルビッシュは5回途中99球を投げ、被安打9、被本塁打1、5失点で降板。チームは逆転勝ちを収めたが、自身にとってはフラストレーションが溜まった試合だった。翌日も気持ちが消化できずにいたダルビッシュはベストフレンドと称すピーター・サマービル氏と野球の話をしていた。そこへ、チームスタッフが二人の会話に入ってきた。
 
NEXT
PAGE
「自分の役割は派手なピッチングよりも、なるべく長いイニングを投げること」