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MLB

大谷翔平の“W規定到達”で蘇るイチローの言葉。天才の「予言」を超えた究極の存在へ<SLUGGER>

新井裕貴(SLUGGER編集部)

2022.10.07

イチローが引退会見で発した大谷への期待と可能性。ここ2年の大谷は、その“予言”に近い形と裏切る形のパフォーマンスを発揮している。(C)Getty Images

イチローが引退会見で発した大谷への期待と可能性。ここ2年の大谷は、その“予言”に近い形と裏切る形のパフォーマンスを発揮している。(C)Getty Images

「誰が見ても世界一の才能」――史上最高の安打製造機・イチローが2019年3月21日の引退会見にて、“ある選手”を評した言葉だ。大谷翔平(エンジェルス)。唯一無二の二刀流として前人未到の道を歩む天才プレーヤーのことである。

  10月5日(現地)、大谷はアスレティックスとの最終戦に「3番・投手」で先発登板すると、5回を投げ切って規定投球回に到達。史上初の「規定投球回&規定打席のWクリア」という、今後誰も達成できないと思われる偉業を球史に刻んだのだった。今季の大谷の最終成績は以下の通りだ。

<投手>
【勝利】15勝(4位)
【防御率】2.33(4位)
【奪三振】219(3位)
【投球回】166.0回(20位)
【WHIP】0.99(5位)
【奪三振率】11.87(1位)

<打者>
【打率】.273(25位)
【本塁打】34本(4位)
【打点】95(7位)
【出塁率】.356(18位)
【長打率】.519(5位)
【OPS】.875(5位)
【盗塁】11(31位)
※( )内はリーグ順位
 
 いわゆる投手三冠(勝利・防御率・奪三振)の項目でリーグトップ5に入っているだけでなく、34本塁打はリーグ4位、OPS.875も5位。世界最高峰の舞台でプレーしながら、「エースで4番」を体現してみせた格好だ。リーグ3位の46本塁打、2位のOPS.965をマークした昨季と比べると打撃成績はダウンしているが、今季のメジャーリーグは本塁打数が激減するなど投高打低傾向となっていることも考慮しておくべきだろう。

 昨年も終盤まで本塁打王争いに加わり、日本人には到底不可能と思われた領域に足を踏み入れ、今季はサイ・ヤング賞投票上位が有力の好成績。どちらか一方で一流の数字を残すだけでも十分すごいが、投打両方でとなると、もはや言葉が見つからない。「マンガでも描けない」「空想上の存在」などと形容される大谷。イチローも、その底知れない可能性を信じていた一人だった。

 時計の針を3年前に戻そう。引退会見で「大谷が今後どんな選手になるか」と質問されたイチローは、「そこは占い師に聞いてもらわないとねぇ」と笑みを見せつつ、こう“予言”していた。

【動画】2HR&8打点の翌日に自己最多13K。大谷翔平の“神ピッチ”を振り返る 
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