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プロ野球

ドラフトのクジ運は「当たり外れ」だけじゃ分からない。競合数も加味して12球団の「くじ引き」を採点してみた<SLUGGER>

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2022.10.19

当たりの多い少ないだけではくじ運の良さは分からない。なぜなら、競合数はその時によって違うからだ。写真:産経新聞社

当たりの多い少ないだけではくじ運の良さは分からない。なぜなら、競合数はその時によって違うからだ。写真:産経新聞社

 ドラフトにおいてくじ運がいい、あるいは悪いと言われる球団がある。実際のところはどうなのか。各チームのくじ運を分かりやすく可視化するべく、現行制度が始まった2008年以降のドラフトを調べてみた。

 単純な当たり・ハズレだけでなく、競合数による確率の要素も加味するため、2球団競合で当たりを引いたら2ポイント、3球団競合なら3ポイント……という風に加点していき(外れは一律で0ポイント)、各球団のクジ運をポイント化したのが下のランキングだ。

※( )内はそのくじ引きで獲得したポイント
※外れ1位は☆、外れ外れ1位は☆☆

▼12位 オリックス:2ポイント
2010年 大石達也 6球団×
2010年 伊志嶺翔大☆ 2球団×
2010年 山田哲人☆☆ 2球団×
2011年 高橋周平 3球団×
2012年 藤浪晋太郎 4球団×
2012年 松永昂大☆ 2球団×
2017年 田嶋大樹 2球団〇(2)
2018年 小園海斗 4球団×
2019年 石川昂弥 3球団×
2019年 河野竜生 2球団×
2020年 佐藤輝明 4球団×

 1998年のドラフト1位で新垣渚(沖縄水産)を当てたものの入団拒否、その後は9連敗と当たりくじをことごとく引けない状況が続いた。そのせいか、14~16年は競合に参加しない独自路線へ転換したが、17年に田嶋を当ててから再び様子が変わってきた。18年は小園、翌年は石川、20年は佐藤とを恐れず目玉選手に入札するも、残念ながら連敗して最下位に。再び当たりくじを引くのはいつだろうか。
 
▼11位 巨人:4ポイント
2008年 大田泰示 2球団○(2)
2011年 菅野智之 2球団×
2011年 松本竜也☆ 2球団〇(2)
2013年 石川歩 2球団×
2016年 田中正義 5球団×
2016年 佐々木千隼☆ 5球団×
2017年 清宮幸太郎 7球団×
2017年 村上宗隆☆ 3球団×
2018年 根尾昂 3球団×
2018年 辰己涼介 4球団×
2019年 奥川恭伸 3球団×
2019年 宮川哲 2球団×
2020年 佐藤輝明 4球団×
2021年 隅田知一郎 4球団×

 原辰徳監督は通算1勝10敗というくじ運の悪さで、チーム全体も外しまくってあえなくワースト2位。しかも、当てた大田は巨人では開花できず、松本は野球賭博に関与したたため一軍未出場のまま15年に永久追放と、実質全敗と言ってもいい。今回のドラフトで浅野翔吾(高松商)の指名を早々に公言したのは、競合数を少しでも減らそうという涙ぐましい努力なのかも?

▼10位 広島:9ポイント
2010年 大石達也 6球団×
2012年 森雄大 2球団×
2012年 増田達至☆ 2球団×
2013年 大瀬良大地 3球団(3)
2014年 有原航平 4球団×
2016年 田中正義 5球団×
2016年 佐々木千隼☆ 5球団×
2017年 中村奨成 2球団〇(2)
2018年 小園海斗 4球団〇(4)
2021年 隅田知一郎 4球団×
2021年 山下輝 2球団×

 11年は野村祐輔、20年は森下暢仁、21年には栗林良吏と、巧みに好選手を一本釣りするイメージがあるが、競合参加も11回と意外に多い。外した回数が多いためポイントでは10位にとどまったが、エースの大瀬良や遊撃のレギュラーとなった小園など、くじで引き当てた選手の多くは主力となり、ポイントの割にくじ運が良いようにも見える。
 
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