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プロ野球

世代随一のポテンシャルに加え、精神力と思考力を備えたドラフト候補・山田陽翔の軌跡<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.10.19

今ドラフトの高校生投手ではナンバーワンの呼び声高い山田。果たしてどの球団が指名するのだろうか。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

今ドラフトの高校生投手ではナンバーワンの呼び声高い山田。果たしてどの球団が指名するのだろうか。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 2022年ドラフトでは注目選手の一人である近江高の山田陽翔は、今年の高校野球界を最も盛り上げた男と言っても良いだろう。昨年夏から3季連続で甲子園に出場し、全試合で先発。いずれの大会でもチームを4強へと押し上げ、今春のセンバツでは準優勝投手にもなった。投手分業制が進んでいる現代の高校野球において、歴代5位タイの通算11勝と歴代3位の115奪三振は特筆すべき実績と言えるだろう。

 野球選手としての能力もさることながら、山田の魅力は類まれなるスター性だ。エースで4番、さらに主将という重責を担い、大阪桐蔭や智弁和歌山といった強豪校に立ち向かう姿は、多くの人々を熱狂させた。野球に対する姿勢も多方面から高く評価されており、今年のU-18侍ジャパンでも主将を任された。まさに世代の顔となる高校球児だった。
 
 筆者が山田に初めて会ったのは、彼が高校入学を直前に控えた中学3年の2月だ。当時から最速142キロを投げるスーパー中学生としてテレビ出演するなど、投打に秀でた選手であったが、それ以上に身体全体からエネルギーに満ちあふれた姿が強く印象に残っている。一喜一憂しながら誰よりも野球を楽しんでいる姿は、少年漫画の主人公を見ているようだった。山田の能力とキャラクターなら、間違いなく高校でも注目される選手になるだろうと確信したのは決して後付けではない。

 かくして近江へ入学した山田だが、高校1年の夏はコロナ禍で甲子園が中止となってしまった。1年生が練習に参加できたのは6月からだったため、滋賀県独自大会では「1年生はベンチに入れないと思います」と多賀章仁監督は話していたが、ふたを開けて見れば山田は見事にベンチ入り。リリーフ投手として優勝の原動力になった。
 

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