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プロ野球

山本由伸が突入した”防御率1点台”の領域。ダルビッシュ有や田中将大ら過去の達成者を振り返る

藤原彬

2019.11.28

力でねじ伏せる山本のピッチングは、多くのファンに衝撃を与えた。写真:日刊スポーツ/朝日新聞社

力でねじ伏せる山本のピッチングは、多くのファンに衝撃を与えた。写真:日刊スポーツ/朝日新聞社

 今季、山本由伸(オリックス)のピッチングが球界に衝撃を与えた。速球、変化球とも高速のボールに打者はきりきり舞い。最終戦でシーズン規定投球回に到達すると、防御率1.95で最優秀防御率のタイトルを手にした。

 2000年以降で防御率1点台に収めた投手は述べ29人目だ。平均年齢は25.4歳(該当年の満年齢)で、山本は21歳最年少での仲間入りとなった。07年のダルビッシュ有(日本ハム/1.820)も同年齢で達成しているが、誕生日が1日早い(ダルビッシュは8月16日、山本は8月17日生まれ)。

 ダルビッシュは、達成初年度の07年から11年オフにポスティングシステムを利用してレンジャーズへ移籍するまで、5年連続で1点台と圧倒的なピッチングで打者を牛耳り続けた。5度の達成は直近20年間で最多であり、日本での実働7年間の通算防御率1.99と目覚ましい数字を残している。
 
 にもかかわらず最優秀防御率が2度、沢村賞獲得が1度にとどまったのは、同じ時代に傑出した投手が他にも存在したからだ。07年は成瀬善久(ロッテ/1.817)に僅差で譲り、翌年(1.88)も岩隈久志(楽天/1.87)に競り負けた。

 そのダルビッシュに引けを取らない凄みを発揮したのが田中将大(楽天)だ。11、12年は奪三振と与四球の割合を示すK/BBが8.93、8.89と投球内容はずば抜けていた。13年には24勝無敗1セーブでチームを球団創設初の日本一へ導き、3年間の防御率はいずれも1点台だった。

 15、17年に防御率1点台を記録している菅野智之(巨人)が2人に追随する。ダルビッシュ、田中と比較すれば、三振を奪う能力で見劣りし、30歳を迎える今季は故障にも悩まされたが、状態さえ万全であれば回数を増やす可能性がありそうだ。

 巨人時代の内海哲也も2度クリアしているが、達成年の11、12年は「飛ばないボール」の導入で球界全体から長打が激減していた恩恵も影響したと考えられる。両年はそれぞれ6人も防御率1点台の投手が生まれた。
 
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