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プロ野球

【識者が選ぶベストナイン】千賀より山本。現場で受けた“インパクト”が最後の一押しに【氏原英明】

氏原英明

2019.11.25

歴史的なシーズンを送った山本に対し、氏原氏は「これは打てそうにない」と感じていたという。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

歴史的なシーズンを送った山本に対し、氏原氏は「これは打てそうにない」と感じていたという。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 25日、セ・パ両リーグのベストナインが発表された。しかし、千差万別。見る人・評価する人が違えば、その結果は異なってくる。『THE DIGEST』では、プロ野球に精通する識者ふたりに、それぞれの視点で「ベストナイン」を選んでもらった。

    ◆    ◆    ◆

【パ・リーグ】単に“数字”ではなく“印象”を重視
 現代の野球は、数字が全盛になりつつある時代と言っていいだろう。数字だけで賞を選出するなら機械がやればいいという意見があるが、数多ある数字をどう読み解くかも記者によって分かれるところだ。

 個人的には、現場に足を多く運んでいるので、数字に加えて「印象度」を大事にしたい。投手なら、いかにも打てそうにないと感じたピッチングをいくつも見せたかどうか、打者なら怖さや総合的な存在感の大きさを感じられたかを念頭に入れて選んだ。
 
 パ・リーグで最も悩んだのは投手と外野手、そしてDHだ。 

 投手はノーヒットノーランを達成した千賀滉大(ソフトバンク)、最多勝の有原航平(日本ハム)との比較になるが、山本由伸(オリックス)は近代的なピッチングスタイルを1年間見せつけた。数字よりも、「これは打てそうにもない」とシーズンを通して怖さを見せ、支配的なピッチングが多かった印象度で山本を選出した。

 外野手は秋山翔吾(西武)が当確として、荻野貴司(ロッテ)の扱いで大いに迷った。数字は申し分ない。怖さはないものの、遊撃手で選出した源田壮亮(西武)と同じく、シーズンを通して厄介さが常にあったので、選んでもいいとは思った。

 だが、吉田正尚(オリックス)は143試合を通じての打率、OPSが森友哉(西武)に次いでリーグ2位だったという事実。グラシアル(ソフトバンク)はキューバ代表での離脱などで出場試合数にやや物足りなさがあったが、その中でもここ一番の勝負強さで存在感を発揮した。このふたりに比べると、荻野は一歩及ばない。

 DHはデスパイネ(ソフトバンク)かブラッシュ(楽天)の一騎打ちだった。デスパイネは本塁打キングの2位で山川を追っていたが、正直それほどの印象はない。ただ、それが例年より劣るという「先入観」からなのかどうかの見極めが難しい。ブラッシュの活躍の方が新鮮に映ったのは事実だが、年間を通しての安定度を重視してデスパイネとした。
 
【パ・リーグ】
投手:山本由伸(オリックス)
捕手::森友哉(西武)
一塁手:山川穂高(西武)
二塁手:浅村栄斗(楽天)
三塁手:中村剛也(西武)
遊撃手:源田壮亮(西武)
外野手:秋山翔吾(西武)
外野手:吉田正尚(オリックス)
外野手:グラシアル(ソフトバンク)
指名打者:デスパイネ(ソフトバンク)
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