「本当に馬鹿げているよ」
現地時間11月17日に発表されたア・リーグのMVP投票は、レギュラーシーズンにロジャー・マリスのリーグ記録を更新する62本塁打を放ったアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)がキャリア初の栄冠を手にした。
【動画】ジャッジとのMVPレースを悩ませた13奪三振! 大谷翔平の“神ピッチ”を振り返る
メジャーのMVPは全米野球記者協会(BBWAA)で選ばれた30人の敏腕記者たちの投票によって決するため、ほぼ毎年のように最終結果を嘆く人々はいる。今年で言えば、冒頭のコメントを放った米放送局『Bally Sports West』の解説者であるマーク・グビサ氏が、まさにそうである。
もっとも、今季のジャッジは62本塁打に加え、131打点、出塁率.425、長打率.686、そしてOPS1.111でいずれもリーグ1位の成果を上げた。ゆえに「MVPにふさわしくない」という意見は聞こえてこない。
ではなぜ、グビサ氏のように大谷を推挙する人々が驚いたのか。それは、やはり彼への1位票がわずか2つしかなかった点だろう。それもBBWAAのロサンゼルス支部所属だった記者による投票であり、これは長くさまざまな論争を巻き起こしたジャッジとのMVP争いでの“完敗”と受け取れなくもないわけである。
おそらく未来永劫、塗り替えられないであろう「規定打席&規定投球回のWクリア」をやり遂げたシーズンに「無冠」となった大谷。そんな偉才の敗北を嘆く声が絶えない一方で、歴史的なデッドヒートを繰り広げた両者を称える声も後を絶たない。
最も興味深かったのは、米ラジオ局『WFIN』だ。彼らは「これでまでで一番難しいMVPの議論だ。結果にかかわらず永遠に伝説的なものとなる」と両雄の争いが歴史的なものであると強調したうえで、「もはやオオタニは『日本のベーブ・ルース』ではなく、彼すらもできなかったことをやり遂げている」と、二刀流の天才の凄みを論じた。
「『最も価値がある選手』とは何か。最高のチームにいる最高の選手なのか? はたまたWARが一番高い選手なのか? それとも単にあらゆるスタッツが最も優れている選手なのか? それは毎年、投票者によって変わっているように思える。
今季にジャッジが圧倒的な人気を誇った理由のひとつは、悪いチームの選手に贈られることは稀だという事実だ。それは過去を見てもそうである。ただ、チームが酷いからと言ってオオタニを責めるべきではないし、まして彼の価値が落ちるわけでもない。彼ほど影響を与えられる選手はいないのだ」
同局が伝えたように、さまざまな論争を巻き起こし、決着後も波紋を広げた今季のMVP争いは、おそらく永遠に語られるものとなる。今年の野球界最大の話題となってきたその事実こそが、ジャッジと大谷がいかに優れていたかを如実に表していると言えそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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メジャーのMVPは全米野球記者協会(BBWAA)で選ばれた30人の敏腕記者たちの投票によって決するため、ほぼ毎年のように最終結果を嘆く人々はいる。今年で言えば、冒頭のコメントを放った米放送局『Bally Sports West』の解説者であるマーク・グビサ氏が、まさにそうである。
もっとも、今季のジャッジは62本塁打に加え、131打点、出塁率.425、長打率.686、そしてOPS1.111でいずれもリーグ1位の成果を上げた。ゆえに「MVPにふさわしくない」という意見は聞こえてこない。
ではなぜ、グビサ氏のように大谷を推挙する人々が驚いたのか。それは、やはり彼への1位票がわずか2つしかなかった点だろう。それもBBWAAのロサンゼルス支部所属だった記者による投票であり、これは長くさまざまな論争を巻き起こしたジャッジとのMVP争いでの“完敗”と受け取れなくもないわけである。
おそらく未来永劫、塗り替えられないであろう「規定打席&規定投球回のWクリア」をやり遂げたシーズンに「無冠」となった大谷。そんな偉才の敗北を嘆く声が絶えない一方で、歴史的なデッドヒートを繰り広げた両者を称える声も後を絶たない。
最も興味深かったのは、米ラジオ局『WFIN』だ。彼らは「これでまでで一番難しいMVPの議論だ。結果にかかわらず永遠に伝説的なものとなる」と両雄の争いが歴史的なものであると強調したうえで、「もはやオオタニは『日本のベーブ・ルース』ではなく、彼すらもできなかったことをやり遂げている」と、二刀流の天才の凄みを論じた。
「『最も価値がある選手』とは何か。最高のチームにいる最高の選手なのか? はたまたWARが一番高い選手なのか? それとも単にあらゆるスタッツが最も優れている選手なのか? それは毎年、投票者によって変わっているように思える。
今季にジャッジが圧倒的な人気を誇った理由のひとつは、悪いチームの選手に贈られることは稀だという事実だ。それは過去を見てもそうである。ただ、チームが酷いからと言ってオオタニを責めるべきではないし、まして彼の価値が落ちるわけでもない。彼ほど影響を与えられる選手はいないのだ」
同局が伝えたように、さまざまな論争を巻き起こし、決着後も波紋を広げた今季のMVP争いは、おそらく永遠に語られるものとなる。今年の野球界最大の話題となってきたその事実こそが、ジャッジと大谷がいかに優れていたかを如実に表していると言えそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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