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出場停止処分が軽減されるもドジャース解雇は確実。“革命児”バウアーは事実上の永久追放処分となってしまうのか<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.12.24

20年のサイ・ヤング賞受賞から、スキャンダルで急転落したバウアー。名誉回復の機会は巡ってくるのだろうか。(C)Getty Images

「久しぶりに彼の名前を聞いた」と思ったMLBファンも多かったのではないだろうか。

 現地12月22日、MLB機構は性的暴行問題で今年4月に324試合の出場停止が言い渡されたトレバー・バウアーの処分を194試合に軽減したと発表した。これで彼は2023年シーズン最初の50試合(5月23日まで)を経過した後に復帰ができるようになる。

 そもそも、バウアーが処分を受けた理由は、20年6月に女性との性行為中に顔面を殴打するなどの暴行を加えたと告発されたためだ。実は、この件で彼は不起訴処分となっているのだが、世間の風当たりはいまだにかなり強い。

 だが、バウアーも負けてはいない。告発した女性や、ウェブメディア『The Athletic』と『Deadspin』などを名誉棄損で訴えている。その傍ら、自身のYouTubeチャンネルにも熱心に動画を投稿。最近の動画では95マイル前後のボールを投じるなど元気な姿を見せている。また、自分のオリジナルブランドを立ち上げてTシャツを販売するなど、メジャーの舞台から遠ざかってもさまざまな活動に取り組んでいるのだ。

 晴れて処分が確定した22日にバウアーはツイッターを更新し、「球場でみんなに会えるのが待ちきれないよ!」とファンに呼びかけてもいた。だが、メジャー復帰への道はかなり困難とみられている。
 
 まず、ドジャースは来年1月6日までに、バウアーを40人ロースターに復帰させるか、それとも解雇するかを選択できる。20年オフに結んだ3年1億200万ドルの契約がまだ満了していないため、解雇する場合にはドジャースに残り年俸2300万ドルの支払い義務が生じるが、それでも両者の関係性の不安から「クビは確実だ」と言われている。

 では、ドジャースを解雇された場合、バウアーを拾うチームは出てくるのか。経済誌『Forbes』のモーリー・ブラウン氏は、ステロイド疑惑のあったバリー・ボンズが07年オフにジャイアンツを退団後、現役続行の意向を示したにもかかわらず契約する球団がなかったことを引き合いに出し、「おそらくバウアーも同じことになるだろう」との見解を示している。

 レイプ疑惑以前にも物議を醸す言動が多く、球界内に多い「アンチ」も多いバウアー。だが、いち早くラプソードなどの最新機器を取り入れ、20年にはサイ・ヤング賞に輝いた革命児でもある。件の暴行疑惑が不起訴だったことを踏まえても、このまま球界から消えてしまうのは惜しい気がするのだが……。

構成●SLUGGER編集部

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