2013~21年のドラフトで最も「豊作」だった年、そして最も「不作」だった年はいつなのか。勝利貢献度指標WARを使って測ってみた。総計のみでは必然的に年代が古いほど有利なため、総計を各ドラフトの翌年から22年までの年数で割ることで1年の平均WARを算出した。その平均WARで並べると以下のような順番になる。
※データ提供:DELTA
▼各年度ドラフト平均WAR(2013~21)
2016年 平均39.9WAR(総計239.7)
2013年 平均33.9WAR(総計305.3)
2015年 平均31.2WAR(総計218.2)
2020年 平均29.8WAR(総計59.5)
2018年 平均24.8WAR(総計99.0)
2017年 平均24.1WAR(総計120.4)
2019年 平均23.0WAR(総計68.9)
2014年 平均20.1WAR(総計161.1)
2021年 平均10.6WAR(総計10.6)
最も年平均のWARが高かったのは16年。ただ、これは1位の選手たちが頑張った結果ではない。この年は田中正義(創価大)、山岡泰輔(東京ガス)、寺島成輝(履正社高)が”ビッグ3“との評価だった。このうち、山岡は19年に最高勝率のタイトルを獲得するなど主戦投手へ成長した(通算WAR18.7)が、5球団競合でソフトバンク入りした田中は故障続きで通算WAR0.0、ヤクルト入りした寺島も大成できず、昨季限りで現役引退してしまった。他の1位指名も、そこまで際立った選手はいない。
にもかかわらず「豊作年」となったのは、3位以降の指名で成功例が多く出たから。源田壮亮(西武3位)は卓越した守備力を武器に、13年以降のドラフト指名選手全体1位のWAR29.8を稼いだ。さらに、山本由伸(オリックス4位)も昨季から2年連続投手五冠という偉業を達成するなどWAR29.0を記録し、球界最強投手へ成長した。WARの数値はそれほど高くはないが、日本ハムの8位は玉井大翔(2.8)、そしてDeNAの9位は佐野恵太(5.9)と、下位指名からも主力に成長した選手たちが複数いた。
球団別では、源田以外に5位で平井克典(6.7)を獲得した西武の41.3がトップで、これに次ぐのがオリックスの35.1。1位で柳裕也(14.2)、2位で京田陽太(10.6)を指名した中日と、吉川尚輝(10.7)を1位指名した巨人は、この9年でこの年が最も成果の大きいドラフトだった。
2番目は平均WAR33.9の13年。どちらかと言えば不作との前評判で、現実に1位指名された顔ぶれも予想外の選手が何人かいた。だが、5球団の競合で楽天入りした松井裕樹(19.9)をはじめ、広島が3球団の抽選を制した大瀬良大地(26.4)、ロッテが巨人との抽選に勝った石川歩(24.2)、そして西武が単独指名した森友哉(現オリックス/29.7)らが期待通りに成長。2位で活躍した選手が多いのも特徴で、山川穂高(西武/19.0)、九里亜蓮(広島/17.2)、森唯斗(ソフトバンク/11.1)のタイトルホルダー3人に加え、又吉克樹(中日/8.7)もセットアップとして活躍している。
また、この年も下位指名が豊作だった。2013~21年で6位指名以下の通算WARトップ3は二木康太(ロッテ6位/12.9)、岩崎優(阪神6位/11.6)、石川柊太(ソフトバンク育成1位/10.5)で、3人とも13年の入団だった。球団別では、大瀬良、九里に加えて3位でも田中広輔(21.4)を指名した広島が合計WAR66.9。西武の49.4、ロッテの40.4が次ぐ。
※データ提供:DELTA
▼各年度ドラフト平均WAR(2013~21)
2016年 平均39.9WAR(総計239.7)
2013年 平均33.9WAR(総計305.3)
2015年 平均31.2WAR(総計218.2)
2020年 平均29.8WAR(総計59.5)
2018年 平均24.8WAR(総計99.0)
2017年 平均24.1WAR(総計120.4)
2019年 平均23.0WAR(総計68.9)
2014年 平均20.1WAR(総計161.1)
2021年 平均10.6WAR(総計10.6)
最も年平均のWARが高かったのは16年。ただ、これは1位の選手たちが頑張った結果ではない。この年は田中正義(創価大)、山岡泰輔(東京ガス)、寺島成輝(履正社高)が”ビッグ3“との評価だった。このうち、山岡は19年に最高勝率のタイトルを獲得するなど主戦投手へ成長した(通算WAR18.7)が、5球団競合でソフトバンク入りした田中は故障続きで通算WAR0.0、ヤクルト入りした寺島も大成できず、昨季限りで現役引退してしまった。他の1位指名も、そこまで際立った選手はいない。
にもかかわらず「豊作年」となったのは、3位以降の指名で成功例が多く出たから。源田壮亮(西武3位)は卓越した守備力を武器に、13年以降のドラフト指名選手全体1位のWAR29.8を稼いだ。さらに、山本由伸(オリックス4位)も昨季から2年連続投手五冠という偉業を達成するなどWAR29.0を記録し、球界最強投手へ成長した。WARの数値はそれほど高くはないが、日本ハムの8位は玉井大翔(2.8)、そしてDeNAの9位は佐野恵太(5.9)と、下位指名からも主力に成長した選手たちが複数いた。
球団別では、源田以外に5位で平井克典(6.7)を獲得した西武の41.3がトップで、これに次ぐのがオリックスの35.1。1位で柳裕也(14.2)、2位で京田陽太(10.6)を指名した中日と、吉川尚輝(10.7)を1位指名した巨人は、この9年でこの年が最も成果の大きいドラフトだった。
2番目は平均WAR33.9の13年。どちらかと言えば不作との前評判で、現実に1位指名された顔ぶれも予想外の選手が何人かいた。だが、5球団の競合で楽天入りした松井裕樹(19.9)をはじめ、広島が3球団の抽選を制した大瀬良大地(26.4)、ロッテが巨人との抽選に勝った石川歩(24.2)、そして西武が単独指名した森友哉(現オリックス/29.7)らが期待通りに成長。2位で活躍した選手が多いのも特徴で、山川穂高(西武/19.0)、九里亜蓮(広島/17.2)、森唯斗(ソフトバンク/11.1)のタイトルホルダー3人に加え、又吉克樹(中日/8.7)もセットアップとして活躍している。
また、この年も下位指名が豊作だった。2013~21年で6位指名以下の通算WARトップ3は二木康太(ロッテ6位/12.9)、岩崎優(阪神6位/11.6)、石川柊太(ソフトバンク育成1位/10.5)で、3人とも13年の入団だった。球団別では、大瀬良、九里に加えて3位でも田中広輔(21.4)を指名した広島が合計WAR66.9。西武の49.4、ロッテの40.4が次ぐ。