今年3月の開幕が迫っているワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。6年ぶりに開催される世界一を決める至高の舞台に向けては、各国がメンバー選考を進めている。そうしたなかで1月4日に、初優勝を目指す韓国代表の最終リスト30人が発表された。
【動画】相手バッターをなぎ倒した圧巻投球! アン・ウジンの奪三振シーン
KBOリーグで2022年シーズンMVPに輝いたイ・ジョンフや、東京オリンピックでも活躍したカン・ベクホに加え、2009年の第2回大会でもプレーした“日本キラー”の異名を持つベテラン左腕キム・グァンヒョンが順当に選出。加えてキム・ハソン、チェ・ジマン、そして2021年にナ・リーグで『ゴールドグラブ賞』に選出された韓国系アメリカ人のトミー・エドマンのメジャーリーガー3人もラインナップされた。
おおよそは予想通りの顔ぶれと言っていい。そんなメンバー選考の中で小さくない波紋を広げたのは、“国内最高の投手”と評されるアン・ウジンの選外だった。
現在23歳の右腕は、プロ5年目の22年シーズンに躍動。超が付くほどの打高投低の韓国球界にあって防御率2.11、224奪三振と圧倒的な数字をマークして投手2冠に輝いた実績を残していた。
まさしくエース級の活躍を見せたアン・ウジンだけに、WBCのメンバー入りも当然と見られていた。しかし、シーズン終了間際に高校時代に野球部の同僚と後輩へ暴行を振るう事件を起こしていたスキャンダルが発覚。これによりプロ入り前に大韓野球ソフトボール協会から3年間の代表入りの資格停止を受けたのである。
もっとも、アン・ウジンが資格停止によりWBCに出場できないわけではない。大韓体育会の規定で資格停止処分によってオリンピック、アジア大会などの代表入りこそ認められないが、メジャーリーグ機構が主催するWBCは上記規定が適用外となる。ゆえにアン・ウジンはメンバー入りの可能性があったのだが、世論の反響もあって、選外となった。
米メディア『FanGraphs』が「韓国のデグロム」と評する実力派右腕の落選には、母国メディアでも話題となっている。「KBOで最高の投手が果たそうとした夢は無惨に潰えた。冷たい世論とモラルが優先された結果だ」「過去の暴力騒動を振り払えなかった」と伝えた『聯合ニュース』は、代表選考に携わったチョ・ボムヒョン技術委員長のコメントを紹介している。
「長いこと悩みに悩んで決めた。このメンバーを選ぶうえでの基準は技量と国を代表する選手としての責任感、自尊心だ」
将来的なメジャー移籍も目論んでいるというアン・ウジン。彼のキャリアにとって、このWBCからの選考漏れは、どのような意味を持つのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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現在23歳の右腕は、プロ5年目の22年シーズンに躍動。超が付くほどの打高投低の韓国球界にあって防御率2.11、224奪三振と圧倒的な数字をマークして投手2冠に輝いた実績を残していた。
まさしくエース級の活躍を見せたアン・ウジンだけに、WBCのメンバー入りも当然と見られていた。しかし、シーズン終了間際に高校時代に野球部の同僚と後輩へ暴行を振るう事件を起こしていたスキャンダルが発覚。これによりプロ入り前に大韓野球ソフトボール協会から3年間の代表入りの資格停止を受けたのである。
もっとも、アン・ウジンが資格停止によりWBCに出場できないわけではない。大韓体育会の規定で資格停止処分によってオリンピック、アジア大会などの代表入りこそ認められないが、メジャーリーグ機構が主催するWBCは上記規定が適用外となる。ゆえにアン・ウジンはメンバー入りの可能性があったのだが、世論の反響もあって、選外となった。
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