現地時間1月4日、KBO(韓国野球委員会)は、今年3月に開催されるワールドベースボールクラシック(WBC)に向けた最終リスト30人を発表した。
初の“世界制覇”を目論む韓国代表も、日本代表やアメリカ代表がそうであるように、多くのタレントが勢揃いした。KBOリーグで2022年シーズンMVPに輝いたイ・ジョンフ、“日本キラー”の異名を持つベテラン左腕キム・グァンヒョンといった国内の実力派のほか、キム・ハソン、チェ・ジマン、韓国系アメリカ人のトミー・エドマンという3人のメジャーリーガーも選出した。
概ね予想通りのメンバーが顔を並べた。しかし、そのなかで国内でも“予想外”と報じられているのが、23歳の右腕アン・ウジンの選考漏れだ。
プロ5年目の22年シーズンにKBOリーグで15勝をマークしたアン・ウジンは、防御率(2.11)と奪三振数(224)で2冠を達成。「超打高投低」と言われる同リーグにあって傑出した成績を残した。
鵜の目鷹の目のメジャースカウトからも垂涎の的とされている23歳は、いわば現在の韓国球界ナンバーワン投手だ。しかし、昨年末に明るみになった高校時代に犯した同僚との後輩への暴力沙汰によって、選考から外れたのである。
今回のスキャンダルで大韓野球ソフトボール協会から3年間の代表入りの資格停止を科されたアン・ウジン。だが、WBCはメジャーリーグ機構が主催となるため、上記の処分は適用外となるため、代表入りの期待は最後まで小さくなかった。
それでも「国を代表する選手としての責任感、自尊心」を基準としたというチョ・ボムヒョン技術委員長のコメントにもあるように、世論とモラルが尊重される形となった。
繰り返すが、実力は球界ナンバーワンだ。それだけにアン・ウジンの選外を惜しむ声は多い。日刊紙『朝鮮日報』は「東京オリンピックの悲惨な結果を受け、国際舞台で成功を収めなければいけない韓国代表への期待はさらに低くなるだけだ」と指摘し、「アン・ウジンが球界最高の投手であることを否定できる人は誰もない」と断言し、選考の意図を説いた。
「WBCで勝ち進むうえで、アン・ウジンが先発や中継ぎで機能するのは間違いない。それだけにイ・ガンチョル監督が『彼のことは考えていなかった』と言えば、それは嘘になる。結局、目先のビジュアル的な強さよりも、チームのケミストリーが重要視されたのだ。仮にアン・ウジンが選ばれて騒がれれば、大会前からチーム内に混乱が生じるのは必至だった」
アマチュア時代に起こしたスキャンダルによって、キャリアの最盛期に迎える“檜舞台”に上げてもらえなかったアン・ウジン。彼を選考外とした決定は、韓国にいかなる結果をもたらすだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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概ね予想通りのメンバーが顔を並べた。しかし、そのなかで国内でも“予想外”と報じられているのが、23歳の右腕アン・ウジンの選考漏れだ。
プロ5年目の22年シーズンにKBOリーグで15勝をマークしたアン・ウジンは、防御率(2.11)と奪三振数(224)で2冠を達成。「超打高投低」と言われる同リーグにあって傑出した成績を残した。
鵜の目鷹の目のメジャースカウトからも垂涎の的とされている23歳は、いわば現在の韓国球界ナンバーワン投手だ。しかし、昨年末に明るみになった高校時代に犯した同僚との後輩への暴力沙汰によって、選考から外れたのである。
今回のスキャンダルで大韓野球ソフトボール協会から3年間の代表入りの資格停止を科されたアン・ウジン。だが、WBCはメジャーリーグ機構が主催となるため、上記の処分は適用外となるため、代表入りの期待は最後まで小さくなかった。
それでも「国を代表する選手としての責任感、自尊心」を基準としたというチョ・ボムヒョン技術委員長のコメントにもあるように、世論とモラルが尊重される形となった。
繰り返すが、実力は球界ナンバーワンだ。それだけにアン・ウジンの選外を惜しむ声は多い。日刊紙『朝鮮日報』は「東京オリンピックの悲惨な結果を受け、国際舞台で成功を収めなければいけない韓国代表への期待はさらに低くなるだけだ」と指摘し、「アン・ウジンが球界最高の投手であることを否定できる人は誰もない」と断言し、選考の意図を説いた。
「WBCで勝ち進むうえで、アン・ウジンが先発や中継ぎで機能するのは間違いない。それだけにイ・ガンチョル監督が『彼のことは考えていなかった』と言えば、それは嘘になる。結局、目先のビジュアル的な強さよりも、チームのケミストリーが重要視されたのだ。仮にアン・ウジンが選ばれて騒がれれば、大会前からチーム内に混乱が生じるのは必至だった」
アマチュア時代に起こしたスキャンダルによって、キャリアの最盛期に迎える“檜舞台”に上げてもらえなかったアン・ウジン。彼を選考外とした決定は、韓国にいかなる結果をもたらすだろうか。
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