2023年から古巣・千葉ロッテの一軍投手コーチ就任が決まった黒木知宏氏。過去5年間は野球解説者として、NHK-BS1で連日放送されている『ワースポ×MLB』(以下『ワースポ』)でメジャーの試合を数多く視聴し、多くの気づきを得たという。久々の現場復帰に際して、改めて理想のコーチ像について語ってもらった。
「NPBの選手たちもそうですが、メジャーリーガーにも手本になるような選手はいます。アメリカに行ってメジャーリーガーたちを直接取材して得たものがあるので、それを選手たちに伝えることができるのは強みだと思います」
「例えば、選手たちが困っていた時に、国内選手の憧れてる選手を例に挙げるだけじゃなくて、『このメジャーリーガーの投げ方、すごい良い投げ方しているんだけど、(君に)似てるんだよね。ちょっと見てみない?』とか、『アーロン・ジャッジ(ヤンキース)はこういう風にしてバットを入れてるんだよね』とか、そういう話ができるかなと思っています」
19年に『ワースポ』のレギュラー解説者になってから4年間、1日3試合、年間400試合以上もメジャーリーグの試合を見てきた。その引き出しの多さは頷けるところだろう。それだけではなく、プレーに関するあらゆるデータが瞬時に数値化されるMLBの野球に触れ、自らの野球観も変わったと話す黒木氏。その部分はどう活かしていくのだろうか。
「アストロズもそういうものを取り入れてから常勝球団を作っていきましたが、やっぱりレイズは気になります。レイズの投手起用はちょっと面白いと思うんですよね」
MLBきっての貧乏球団でありながら、先進的なデータ分析を大胆に取り入れて4年連続進出を果たしているレイズ。「オープナー」を最初に生み出したチームとしても知られている。さらに彼らはリリーフ起用も独特で、専任のクローザーを置かずに相手打者の左右やマッチアップに応じて自在に使い分けながら勝利をもぎ取る。
「ただ、選手はやっぱり『自分のポジションを保ちたい』っていうのがあると思うので、そうした戦術を取るならば、選手たちがそのイメージを理解しないとできない。でも『数字はちゃんと出てているよ』という、アナリストさんのやろうとすることも理解しなきゃいけない。だから、クッション役にならなきゃいけないっていうところは本当に大事だと思いますし、数字をちゃんと理解しないと、これからのコーチングは相当難しいのかなと思ったりもしています」
トラックマンなど最先端の計測機器は、今や日本プロ野球にも広く浸透している。メジャーのように一般公開はされていないものの、選手の特徴や傾向がアナリストなどによって分析・数値化されることはもはや当たり前となっている。
「選手が数字を欲しがる時代になってきてます。僕らの現役時代はデータや数字を出そうとしてもすごく時間がかかるものでしたが、それがすぐ出せるような時代になっている。戦う上で最終的に気持ちの部分は絶対大事なことですが、『使えるものは使わないと』と現役時代から思っていたので、僕も現役だったら120%使っていたと思います」
「その数字をチームのアナリストさんが明確に出してくる。選手が欲しいデータと、アナリストが出そうとする数字。その両方を僕が理解しないと、お互いの距離感が縮まらなくて、どこかに歪みが出てしまうかもしれない。そういった意味では数字、データの見方、指標とはなんぞやみたいなところを『ワースポ』の解説者をやったことによって得られたのは大きかったですね」
「アナリストさんの意図を理解して、選手が欲しいデータが何かも理解する。その橋渡しというか、そこの間のクッション役になるっていうのは僕の中では今すごくやらなきゃいけないことだと思いますし、やろうとしてることではありますね」
「NPBの選手たちもそうですが、メジャーリーガーにも手本になるような選手はいます。アメリカに行ってメジャーリーガーたちを直接取材して得たものがあるので、それを選手たちに伝えることができるのは強みだと思います」
「例えば、選手たちが困っていた時に、国内選手の憧れてる選手を例に挙げるだけじゃなくて、『このメジャーリーガーの投げ方、すごい良い投げ方しているんだけど、(君に)似てるんだよね。ちょっと見てみない?』とか、『アーロン・ジャッジ(ヤンキース)はこういう風にしてバットを入れてるんだよね』とか、そういう話ができるかなと思っています」
19年に『ワースポ』のレギュラー解説者になってから4年間、1日3試合、年間400試合以上もメジャーリーグの試合を見てきた。その引き出しの多さは頷けるところだろう。それだけではなく、プレーに関するあらゆるデータが瞬時に数値化されるMLBの野球に触れ、自らの野球観も変わったと話す黒木氏。その部分はどう活かしていくのだろうか。
「アストロズもそういうものを取り入れてから常勝球団を作っていきましたが、やっぱりレイズは気になります。レイズの投手起用はちょっと面白いと思うんですよね」
MLBきっての貧乏球団でありながら、先進的なデータ分析を大胆に取り入れて4年連続進出を果たしているレイズ。「オープナー」を最初に生み出したチームとしても知られている。さらに彼らはリリーフ起用も独特で、専任のクローザーを置かずに相手打者の左右やマッチアップに応じて自在に使い分けながら勝利をもぎ取る。
「ただ、選手はやっぱり『自分のポジションを保ちたい』っていうのがあると思うので、そうした戦術を取るならば、選手たちがそのイメージを理解しないとできない。でも『数字はちゃんと出てているよ』という、アナリストさんのやろうとすることも理解しなきゃいけない。だから、クッション役にならなきゃいけないっていうところは本当に大事だと思いますし、数字をちゃんと理解しないと、これからのコーチングは相当難しいのかなと思ったりもしています」
トラックマンなど最先端の計測機器は、今や日本プロ野球にも広く浸透している。メジャーのように一般公開はされていないものの、選手の特徴や傾向がアナリストなどによって分析・数値化されることはもはや当たり前となっている。
「選手が数字を欲しがる時代になってきてます。僕らの現役時代はデータや数字を出そうとしてもすごく時間がかかるものでしたが、それがすぐ出せるような時代になっている。戦う上で最終的に気持ちの部分は絶対大事なことですが、『使えるものは使わないと』と現役時代から思っていたので、僕も現役だったら120%使っていたと思います」
「その数字をチームのアナリストさんが明確に出してくる。選手が欲しいデータと、アナリストが出そうとする数字。その両方を僕が理解しないと、お互いの距離感が縮まらなくて、どこかに歪みが出てしまうかもしれない。そういった意味では数字、データの見方、指標とはなんぞやみたいなところを『ワースポ』の解説者をやったことによって得られたのは大きかったですね」
「アナリストさんの意図を理解して、選手が欲しいデータが何かも理解する。その橋渡しというか、そこの間のクッション役になるっていうのは僕の中では今すごくやらなきゃいけないことだと思いますし、やろうとしてることではありますね」
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