2022年シーズンは、5月に最大18もの貯金がありながら最終的に借金2と歴史的失速で4位に沈んだ楽天。5月に球団新記録の11連勝を記録した後の勝率.409は最下位の日本ハム(.462)にも及ばずと、チームとしての基礎体力不足を露呈した。
石井一久監督は18年9月にGM就任し、21年からは監督兼任でチーム作りに腐心してきたが、今季はGM職を離れて現場に専念する。言わば、内堀も埋められた状態での5年目。現体制の総決算として10年ぶりのリーグ優勝が求められるが、そのためには世代交代が欠かせない。どのように若手の台頭を促し、高齢化する主力と融合して戦力を整備できるか。キャンプ投打の見どころを取り上げたい。
第一に求められるのは投手陣の再建だ。昨年のチーム防御率はリーグ最下位の3.47。オフには過去3年で計21勝を挙げた涌井秀章が中日へ移籍し、在籍4年間で56ホールドを記録したブセニッツも退団。先発陣、ブルペンとも再整備が急務となる。
先発陣では昨年、田中将大、岸孝之、則本昂大らを含めた30歳以上の選手たち(残りは涌井と辛島航)が計95試合に先発した。彼らは中7日以上と間隔を空けた先発登板では防御率2.87と全盛期並みの好投を見せたが、中6日以下では3.62と数字を落とす傾向があった。経験豊富な3人を可能な限りいい状態で使うためには、余裕をもった登板間隔とリフレッシュ調整が重要になる。となれば、若手の奮起に期待したいところだ。
幸いにも候補は揃っており、その最右翼が大卒2年目の松井友飛だ。指揮官も高い期待を寄せる右腕はチームには少ない長身を活かすタイプで、1年目の昨季は二軍15先発で防御率1.17と好投、ファーム日本選手権でも好投した。
他にも、イースタンで投手三冠に輝いた3年目の高田孝一、8月に一軍で1434日ぶりの白星を挙げた24歳の藤平尚真などの名が挙がる。21年に10勝を挙げながら、昨季は不本意な結果に終わった技巧派・瀧中瞭太も復権を期す。そこへドラフト1位の荘司康誠や、2位の小孫竜二あたりがどう割って入るか。新外国人バニュエロスのNPBへの順応もチェックしたい。
救援陣については、首脳陣に運用の再考を促したい。球界の最新トレンドはコンディションを重視し、3連投をできるだけ回避する継投だ。昨年はオリックスとロッテがチーム全体で3連投が1回のみ、西武3回、日本ハム5回、ソフトバンク8回だったが、楽天は14回と時代に逆行していた。
3月のWBCに出場濃厚の松井裕樹や宋家豪(チャイニーズ・タイペイ代表)は、状況によっては開幕に間に合わない。不測の事態に備えるためにも、ブルペン陣全体の底上げは必須だ。昨季、一軍で爪痕を残した宮森智志、鈴木翔天、西垣雅矢、小峯新陸あたりが今キャンプどんな伸びを見せるのか。オリックスで育成枠から這い上がった宇田川優希のように、短期間でも一軍に貢献できるスポット戦力をどれだけ用意できるかに期待したい。
石井一久監督は18年9月にGM就任し、21年からは監督兼任でチーム作りに腐心してきたが、今季はGM職を離れて現場に専念する。言わば、内堀も埋められた状態での5年目。現体制の総決算として10年ぶりのリーグ優勝が求められるが、そのためには世代交代が欠かせない。どのように若手の台頭を促し、高齢化する主力と融合して戦力を整備できるか。キャンプ投打の見どころを取り上げたい。
第一に求められるのは投手陣の再建だ。昨年のチーム防御率はリーグ最下位の3.47。オフには過去3年で計21勝を挙げた涌井秀章が中日へ移籍し、在籍4年間で56ホールドを記録したブセニッツも退団。先発陣、ブルペンとも再整備が急務となる。
先発陣では昨年、田中将大、岸孝之、則本昂大らを含めた30歳以上の選手たち(残りは涌井と辛島航)が計95試合に先発した。彼らは中7日以上と間隔を空けた先発登板では防御率2.87と全盛期並みの好投を見せたが、中6日以下では3.62と数字を落とす傾向があった。経験豊富な3人を可能な限りいい状態で使うためには、余裕をもった登板間隔とリフレッシュ調整が重要になる。となれば、若手の奮起に期待したいところだ。
幸いにも候補は揃っており、その最右翼が大卒2年目の松井友飛だ。指揮官も高い期待を寄せる右腕はチームには少ない長身を活かすタイプで、1年目の昨季は二軍15先発で防御率1.17と好投、ファーム日本選手権でも好投した。
他にも、イースタンで投手三冠に輝いた3年目の高田孝一、8月に一軍で1434日ぶりの白星を挙げた24歳の藤平尚真などの名が挙がる。21年に10勝を挙げながら、昨季は不本意な結果に終わった技巧派・瀧中瞭太も復権を期す。そこへドラフト1位の荘司康誠や、2位の小孫竜二あたりがどう割って入るか。新外国人バニュエロスのNPBへの順応もチェックしたい。
救援陣については、首脳陣に運用の再考を促したい。球界の最新トレンドはコンディションを重視し、3連投をできるだけ回避する継投だ。昨年はオリックスとロッテがチーム全体で3連投が1回のみ、西武3回、日本ハム5回、ソフトバンク8回だったが、楽天は14回と時代に逆行していた。
3月のWBCに出場濃厚の松井裕樹や宋家豪(チャイニーズ・タイペイ代表)は、状況によっては開幕に間に合わない。不測の事態に備えるためにも、ブルペン陣全体の底上げは必須だ。昨季、一軍で爪痕を残した宮森智志、鈴木翔天、西垣雅矢、小峯新陸あたりが今キャンプどんな伸びを見せるのか。オリックスで育成枠から這い上がった宇田川優希のように、短期間でも一軍に貢献できるスポット戦力をどれだけ用意できるかに期待したい。
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