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プロ野球

【キャンプ展望:楽天】10年ぶりのV奪回には投打とも世代交代が不可欠。逸材揃いの若手から誰が抜け出すか?<SLUGGER>

eagleshibakawa

2023.01.27

 一方、野手陣の課題はリーグ最多1075残塁の解消だ。昨年は外国人打者が機能しなかったことと主軸の不振があいまって長打力不足に陥り、塁上は賑わうものの思うようにホームに呼び込めなかった。今オフはその解決策として、中日から阿部寿樹をトレードで獲得。昨年、31二塁打を放った中距離打者の加入は間違いなくプラスに作用するだろう。

 だが、「鷲の中距離打者」と言えばやはり、今季で30歳になる茂木栄五郎だ。彼の完全復活は欠かせないファクターになる。持病の腰にメスを入れて不安を取り除いた昨年はオープン戦打率.360と絶好調。ところが、開幕直後のコロナ感染の影響もあって打率.223と不振に終わった。19年には47長打を記録した実績があり、かつてキャプテンマークをつけた背番号5が攻撃型内野手としての本分を取り戻せば、リーグ最多残塁の惨状も解決に向かうはずだ。
 
 また、野手陣でも世代交代は不可欠。浅村栄斗、鈴木大地、島内宏明、炭谷銀仁朗ら主力野手は軒並み高齢化し、出ずっぱりで戦わせるわけにはいかない。彼らを適宜休ませるためにも、黒川史陽と武藤敦貴の高卒4年目コンビがどこまで突き抜けていくのか期待したい。

 昨年は同世代の岡林勇希(中日)や長岡秀樹(ヤクルト)の活躍が光っただけに、奮起を求めたい。かつて、星野仙一監督が銀次や枡田慎太郎を我慢して使い続けたように、ブレイクのためには石井監督ら首脳陣の胆力も問われてくる。

 思い返せば、球団史上初のリーグ優勝&日本一を飾った13年は素晴らしく年齢バランスの取れたチームだった。100打席以上の野手12人の年齢構成は、30代後半2人、30代前半3人、20代後半5人、20代前半2人。ベテランと若手がうまくかみ合い、チームの出力を最大化していた。V奪回を期すためにも、投打とも世代交代へ大きく舵を切ることができるか注目したい。

文●eagleshibakawa

【著者プロフィール】
信州上田在住。故郷の戦国武将・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドに見える市井の野球好き。野村ID野球に感化され、2009年から様々なデータを集計しながら楽天を定点観測し、気づいたことをSNSなどで発信。
 

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