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プロ野球

「中継ぎ左腕」は松井裕樹のみ。投手15人選考で栗山英樹監督が重宝したのは“一人一殺のスペシャリスト”ではなく――

THE DIGEST編集部

2023.01.26

試合終盤の起用が見込まれる中継ぎ陣の大半は、栗林(右)と大勢(左)のような右腕。サウスポーでは松井裕樹だけが選出された。写真:滝川敏之、写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

試合終盤の起用が見込まれる中継ぎ陣の大半は、栗林(右)と大勢(左)のような右腕。サウスポーでは松井裕樹だけが選出された。写真:滝川敏之、写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 1月26日に「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」に挑む日本代表メンバー30名が正式発表された。

「多くの選手たちが『世界で勝つんだ』という思いを本当に伝えてくれた」

 そう意気込んだ栗山英樹監督が読み上げたメンバーリストのうち、最も多く選手が選ばれたのが投手陣で、30人の枠のうち15枠が充てられた。この点に関しては、61歳の指揮官も「本当に苦しくなった時に、最後の最後まで何とかするというのが、日本野球の真骨頂だと僕は思っている。そのなかで、大前提として日本の特徴である投手の力を借りて、我慢して勝つと決めた。そこで(駒が)足りないというのは許されないと思った」と力説。あらためて、短期決戦における投手起用の重要性が示された形だ。

 この15人の投手のなかで興味深いのは、中継ぎ(あるいは抑え)を本職とする左投手が、松井裕樹(楽天)しかいない点だ。以下は、今回のメンバーと、各投手の利き腕だ。

【投手】
大谷翔平(右)
ダルビッシュ有(右)
戸郷翔征(右)
佐々木朗希(右)
山本由伸(右)
今永昇太(左)
松井裕樹(左)
栗林良吏(右)
湯浅京己(右)
大勢(右)
宮城大弥(左)
宇田川優希(右)
高橋宏斗(右)
高橋圭二(左)
伊藤大海(右)
 
 たとえば、左の強打者と対峙する窮地の場面で、サウスポーの抜擢は大きく流れを引き寄せられる。だが、上記のメンバーを見ても分かる通り、栗山監督が選んだ投手陣は、先発候補を含めても左腕は5人のみと決して多くはない。

 ではなぜ、栗山監督は左腕を積極的に呼ばなかったのか。何よりも大きく影響したのは、今大会に導入された「ワンポイント起用の禁止」だ。2020年にはメジャーリーグで試合時間の短縮を目的として採用されていた。

 日本球界では「(現場の)評判が良くない」(諸説ある)という理由から導入が見送られた同ルールなのだが、1投手は最低でも打者3人を抑えなければならない。つまり“一人一殺”で重宝される左腕の重要性がないのである。

 侍ジャパンの首脳陣も、この国際舞台らしい特殊なルールを前提とした。「最終的に色んなことを考えた」という栗山監督は、メンバー発表の場において持論を口にした。

「特殊的なピッチャーの必要性がなくなったという前提のなかで、左右ということよりも、ボールの良さで選ぶべきなんじゃないかと思った。先発をやりながらも、しっかりリリーフもできる投手を含めて確認をして、選ばせてもらった。当然、そこに関しては大事なテーマとして話し合いを重ねてきました。僕の中では納得をして『いける』と思っています」

「ここは左でワンポイントだ」という“セオリー”みたいなものはない。だからこそ、指揮官の手腕が問われるわけだが、「『頼む、ここで抑えてくれ』と願って投手を使うことだけは許されない」とドラスティックな考えを明らかにした栗山監督の采配は注目していきたい。

取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)

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