期待されたメジャー組の主砲離脱の一報は、韓国球界に激震を与えている。

　ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）の韓国代表に選出されていたピッツバーグ・パイレーツのチェ・ジマンがWBCのメンバーから外れることになった。

　オフに肘の手術を受けたことを理由に、所属するパイレーツがチェ・ジマンのWBC出場に反対意思を表明。大会組織委員会（WBCI）から、チェ・ジマンの出場を認めないと韓国野球委員会（KBO）に伝えられたという。代わってKBOは、韓国プロ野球のSSGでプレーする外野手のチェ・ジフンが代表入りしたと発表した。

　チェ・ジマンは昨季タンパベイ・レイズで113試合に出場して打率.233、11本塁打、52打点をマークした左の長距離砲で、韓国代表は今大会のWBCメンバーにキム・ハソン（サンディエゴ・パドレス）、トミー・エドマン（セントルイス・カーディナルス）といった現役メジャーリーガー3人を招集。初の世界一に向け、並々ならぬ意気込みを見せていた。

　主力の代表離脱は現地メディアに衝撃を与え、チェ・ジマン自身も意気消沈している。韓国の日刊紙『The Korea Herald』はチェ・ジマンのコメントを引用し、「来るWBCに彼は韓国代表として参加する機会を逃し、「深く傷ついた」と述べている。健康上の理由で参加を阻止したパイレーツの決定に失望した」と伝えている。

　最近は打撃練習を再開するほど、肘の回復が順調だったというチェ・ジマンは同メディアに対し、「今月中旬にある代表チームの合宿とWBC1次ラウンドに向けて順調に体を作っていたので、非常に残念であり、深く傷ついている」と語っている。
  　続けて彼は、１月に代表チームに選ばれて“高揚感”があったと話し、「スポーツに関係なく、すべての選手が代表チームの旗を胸につけ、国を代表することを夢見ていると思う」と付け加えている。

　韓国の国営通信社『聯合ニュース』はチェ・ジマンに代わって代表に選出されたチェ・ジフンのコメントを紹介しており「全く予想していなかった。まだ実感が湧かない」とし、「栄光の韓国代表に選んでくれた分、責任感を持ってプレーしたい」と語っている。

　日本代表もダルビッシュ有（パドレス）以外のメジャー組が、代表チームに合流できるのが3月に入ってからの予定であることが明らかになり、今月17日から行なわれる侍ジャパンの宮崎合宿には不参加の見込みとなっており、栗山英樹監督もチーム編成に頭を悩ませている。

　韓国代表を率いるイ・ガンチョル監督は、早くもWBC開幕に向け、軌道修正を強いられる事態になった。

構成●THE DIGEST編集部

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