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侍ジャパン

「俺たちを忘れるな」――侍ジャパンの初実戦で“控え”の近藤、岡本、中野が見せた猛アピールの意義<SLUGGER>

氏原英明

2023.02.26

近藤(左)も岡本(右)もレギュラーを確約された立場ではないが、侍ジャパン初実戦では“主役”となった。写真:梅月智史

近藤(左)も岡本(右)もレギュラーを確約された立場ではないが、侍ジャパン初実戦では“主役”となった。写真:梅月智史

 侍ジャパンを率いる栗山英樹監督の言葉には実感がこもっていた。

「合宿に入ってから、能力の高さを十分に感じているので、こっちが邪魔しないように。とにかく力を発揮してくれれば前に進めると思っていた。今日はそういうゲームになった」
 
 侍ジャパンは、初実戦となった25日のソフトバンク戦で8対4と白星発進。課題も残った試合だったが、幸先の良いスタートになったと言っていい。

 攻撃では7番に入った岡本和真(巨人)が2度の満塁の好機でいずれもタイムリーを放つ活躍。計3打点を上げ、勝利の立役者になった。5番に入って全打席出塁の近藤健介(ソフトバンク)、途中出場からタイムリーを放った中野拓夢(阪神)などもアピールした。

“歴代最強”とさえ言われる今回の侍ジャパンだが、懸念点として挙げられたのが、合宿の招集時期が早く、実戦までのインターバルが長いことだった。通常ではある程度の実戦経験をおのおののチームで積んでからキャンプに参加するが、今回はその時間がないままに集まった。

「まだ結果が出ている段階ではないので良かったとは言えませんけど、自分の練習時間が取れたというのはあると思います」
 
 そう語ったのはこの日、1番を務めた山田哲人だった。

 ノーヒットに終わったが、「やってきたことを試せた。結果は出なかったけど、意味のある打席ばかりだった」と振り返る。生きたボールを見ている回数が少ない分の影響は感じさせたが、手応えを感じているようだ。これから試合を重ねるうちにアジャストしていくのが今年のチームなのかもしれない。

 そんななかでも、結果を残したが、近藤、岡本、中野だった。
  
 3人は侍ジャパンにおいて、レギュラーを約束された存在ではない。栗山監督は「最後までレギュラーを発表したくない」と口にしてはいるものの、それぞれ自分の立ち位置は理解している。しかし、自らが役割を果たすことによって、栗山監督を良い意味で困らせることが、チームの力になることを彼らは知っている。

 近藤は言う。

「塁に出ること、走者がいる時はつないだり返したりする。それが(自分の)役目になってくると思います。今日は3打席ありましたけど、少ない打席でもやっていきたいと思う。試合に出られるか分からないので、メジャー組が合流するまでしっかりアピールできたらなと思います」
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