侍ジャパン

「みんな、スーパーだな」――劣等感に悩まされた宇田川優希が急成長。ダルビッシュ有も高評価する“仲間って感じ”【WBC】

THE DIGEST編集部

2023.02.27

侍ジャパン最年長のダルビッシュ(左)も、宇田川(右)の成長を認めている。写真:梅月智史

 2月27日、11日間に渡って宮崎で行なわれた侍ジャパンの強化合宿が終了した。

 3月8日に開幕(日本の初戦は9日)するワールド・ベースボール・クラシックに向け、各自が調整を進めたなかで、より充実した表情を見せたのは、「プレー以外でも出来るようになったことがある」と語った宇田川優希(オリックス)だ。

 昨季は育成契約からスタートした宇田川。そこから日進月歩で成長を続け、7月に支配下登録。19試合に登板し防御率0.81とポテンシャルを発揮し、日本代表入りも叶えた。

 しかし、今キャンプ開始当初は、人見知りの性格も相まって、周囲に気を遣った。本人も「気疲れが出ている」と漏らしていたほどだ。

 そんな悩める24歳に声をかけたのが、チーム最年長(36歳)のダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)だった。第1クールが終わった20日には「宇田川さんを囲む会」と題した投手会を催すなど、コミュニケーションを積極的に図った。

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 ダルビッシュの助けもあって、宇田川も自然体となった。WBCに向け、若手からベテランまで気兼ねなく話せる関係性が構築され、最終日の集合写真の中心には笑顔の24歳がいた。本人は「いつものように『写真撮るよ』となったときに、真ん中に自然と誘導された。最初ダルビッシュさんが『真ん中、誰?』ってなったときに、皆が『宇田川!』って」と経緯を説明。そして今のチーム状況についてこう語った。

「最初の方は、みんなスーパーだなと思ったんですが、今は皆話しかけてくれますし、僕からも行けて自分も出せるので、仲間って感じです」
 
 著しい成長を遂げる右腕に、さしものダルビッシュも「投手陣の中心ですごく笑いを取ってくれますし、この前も言いましたけど、自分の手の届かないところにいってしまったので、寂しい気持ちもあります」と高く評価している。

 25日のソフトバンクとの壮行試合では、7回2死一、三塁で登板すると150キロを超える速球で空振り三振と完璧な火消しすると、8回の先頭打者からも三振。続く打者には四球を与えたものの、併殺で仕留め1回1/3を無安打、無失点、2奪三振と上々の結果を残した。もう宇田川に不安はない。あとは万全の状態で本大会を迎えるのみだ。

構成●THE DIGEST編集部

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