侍ジャパン

言語の壁に悩んだヌートバーを和らげた“たっちゃんTシャツ”。侍ジャパンの粋な歓迎の舞台裏「気が楽になった」【WBC】

THE DIGEST編集部

2023.03.04

特注の「たっちゃんTシャツ」(右)は、緊張を抱えていたヌートバー(左)の気持ちを和らげた。写真:滝川敏之

 ファーストインプレッションは上々だ。3月3日に侍ジャパンに本格合流をしたラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)である。
【画像】ついに侍Jに合流!大谷翔平&ヌートバーがロッカールームで対面シーン

 2日に羽田空港に到着したヌートバーは、その足で名古屋入り。この日はチームメイトと同じバスで会場となったバンテリンドームナゴヤに入った。

 当然のことながら25歳の外野手は、初の代表入りに少々ナーバスになっていたという。日頃は大勢の野球ファンに熱視線を注がれるメジャーリーガーだが、今いるのは言語環境も異なる侍ジャパン。ワールド・ベースボール・クラシック出場でより一層の注目が集まるなかで「正直言って緊張もありました」と当人は語る。

 そんなヌートバーの気を和らげたのは、侍ジャパンの仲間たちだった。

 試合前のウォーミングアップの時である。首脳陣を含めた侍ジャパンの面々は、全員が真新しい白いTシャツを着用。その背中には日米両国の国旗とともに「たっちゃん」の文字が刻まれていた。この「たっちゃん」とは、ヌートバーのミドルネームである「達治(タツジ)」にちなんだ愛称である。
 
 宮崎での合宿期間中で「年齢とか気にせずに友だちだと思っている」と明かしたダルビッシュ有を筆頭に、今回の代表は積極的にコミュニケーションを図りながらチーム力を高めてきた。ゆえに日本語が喋れなくともヌートバーと距離を置くという選択肢はなかった。

 この仲間たちの粋な歓迎にヌートバーも驚きを隠せなかった。「最高の気分さ。最初にロッカールームへ行ったときに、ササキがあれを着ていて、『なんて書いてあるの?』と聞いてびっくりしたよ」と白い歯を見せた25歳は「みんなが着てくれていたから気が楽になった」と安堵の言葉も口にした。

 同日にチームに合流した大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)からも「元気というか、日本でも人気が出そうなキャラクターじゃないかなと思います」と太鼓判を押され、早くも個性的なキャラクターは人気を博しつつある。

 自身のパフォーマンスについては「打順はどこでも打つつもり、一番大事なのはチームが金メダルを手にすることだ」と意気込むヌートバー。ここから本大会まで日はないが、万全の状態へと仕上げるための土台はできたと言えそうだ。

取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)

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