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侍ジャパン

「全て受け止める」WBC球の対応、調整不足、課題山積みも…栗山監督の”変わらない”投手陣の信頼「本番までにクリアしてくれる」

THE DIGEST編集部

2023.03.04

中日に完敗した侍ジャパン。投打で課題が浮き彫りになる試合となった。写真:滝川敏之

中日に完敗した侍ジャパン。投打で課題が浮き彫りになる試合となった。写真:滝川敏之

 本番に向け、課題が浮き彫りになる試合だった。

 3月9日にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)初戦を控える侍ジャパンは3日、バンテリンドームで中日と壮行試合を行ない、2対7で完敗した。リリーフ陣が途中で打ち込まれ、打線も好機であと1本が出ず、つながりを欠いた。

 試合後、栗山英樹監督は「なかなかうまくいかないときもあるけど、点を取られても勝ち切れるようにしなきゃいけない。こういう展開をしっかり考えてやっていかなきゃいけない」と反省を口にし、表情は固かった。

 立ち上がりは上々だった。先発した左腕の今永昇太(横浜DeNA)は初回から150キロ台を連発。4番・ビシエドを空振り三振で奪うと、2回の5番・アキーノから3回の先頭打者・龍空まで5者連続空振り三振を含む7奪三振を奪う圧巻のピッチング。3回に1失点したとはいえ、“第2先発”としての役割も期待される、左腕の投球は栗山監督に安心感を与えたはずだ。

 だが、後続のリリーフ陣がピリッとしなかった。2番手として4回からマウンドに上がった戸郷翔征(巨人)は、3回56球を投げ被安打4、被本塁打1、与四死球1、2失点と苦い結果を記録。

 3番手で登板した松井裕樹(楽天)も四球でランナーを出すと、2死二塁から細川成也にレフト線への二塁打を許し、4点目を献上。松井は先日ソフトバンクとの強化試合にもWBC球の対応に苦戦しており、この日も制球難が露呈した。2連続四球のあと、松井は高橋にもセンター前へのタイムリー安打を許し、降板。1回も持たず、与四球3、被安打2、4失点と大乱調だった。

 試合後は、「しっくり来る球が続かない。まだ自分に落とし込めていない。試合レベルになると、無意識に良いものが出せていない」と力なく話し、苦悩が垣間見えた。

 4番手の栗林良吏も2死満塁から木下拓哉にレフト前へ2点タイムリーを許し、7点目を献上。中日打線の勢いは止められなかった。
 
 栗山監督は「元々ボールが違うということは、ピッチャーにとって本当に大変なこと。これはもう全て受け止めてやる」としたうえで、「それぞれのピッチャーたちがどういう風にクリアしていくか。能力のあるピッチャーなので、本番までにクリアしてくれると思います」と、選手たちの奮起に期待した。

 6安打2得点に終わった打線に関しても、指揮官は「何とかしようという感じはある」と受け止める。3試合連続で4番に座る村上宗隆(ヤクルト)にも、4回に初めて安打が出た。「本番ではしっかりと自分の形で結果を出してくれる。俺は信じているだけなので」と若き主砲に対する指揮官の信頼は揺るがなかった。

 侍ジャパンはきょう4日も中日と壮行試合を行なう。61歳の指揮官は「準備する時間もないので、できる限りの課題を吐き出して本番までに十分ケアできるように意味のある試合をしていきたい」と前を見据えた。

構成●THE DIGEST編集部

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