たとえ、試合に出ていなくとも、球界で「唯一無二の男」と称される二刀流戦士の存在感は小さくない。3月3日に侍ジャパンに合流した大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。
MLBの定める保険の関係から3日から実施された中日ドラゴンズとの壮行試合2連戦は欠場となった大谷。しかし、ベンチから戦況を見守った背番号16の一挙手一投足は何であっても注目を集める。
4回裏だった。「6番・指名打者」で先発した山川穂高(西武)が2度目の打席に入る直前に、大谷の下へ歩み寄ると自身のバットを手渡す。すると、にんまりと笑顔を浮かべた背番号16は、念を込めて先端部分を絞り込む仕草を見せ、本人に返したのだ。
真意は定かではない。それでも「よしッ」と山川は白い歯を浮かべた。直近の壮行試合でノーヒットと湿り気味の打棒に偉才の持つ“パワー”を注入してもらいたかったのかもしれない。なお、結果はライトフライと快音は聞かれなかった。
大谷がバットに念を込めるのは、何もこれが初めてではない。自己ワーストとなる開幕30打席ノーアーチと苦しんだ昨季もダッグアウトで自らのバットに息を吹き込み、人工呼吸と心肺蘇生を施すパフォーマンスを披露。ここから打撃成績が飛躍的に向上したのは記憶に新しい。
そんな大谷の持つ不思議な力には、海外の識者を注目。山川からヒットは生まれなかったが、エンジェルスのポッドキャスト番組『Rocks in the Outfield』のMCを務めるカメラマンのソト氏は「オオタニは特別なんだ」と自身のツイッターに記している。
はたして、大谷の“蘇生”の効果は悩める主砲に良い結果をもたらすのか。山川の打棒に注目していきたい。
構成●THE DIGEST編集部
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真意は定かではない。それでも「よしッ」と山川は白い歯を浮かべた。直近の壮行試合でノーヒットと湿り気味の打棒に偉才の持つ“パワー”を注入してもらいたかったのかもしれない。なお、結果はライトフライと快音は聞かれなかった。
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構成●THE DIGEST編集部
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