３月９日にワールド・ベースボール・クラシック（WBC）初戦を控える韓国代表は７日に阪神と強化試合を行ない、７対４で本番前最後の試合を終えた。イ・ガンチョル監督は「準備は終わった」と語り、いよいよ明日東京に乗り込む。

　前日６日オリックスとの試合では３失策を喫した守備陣も今日はノーエラー。さらに、韓国打線は２点をリードされた４回に１点を返すと、５回に無死一、三塁の場面で９番のカン・ベクホが同点タイムリー。昨日に続き１番に座ったトミー・エドマンが四球を選び満塁にすると、２番のキム・ハソンが併殺打の間に１点をあげ、この試合初めて韓国代表が勝ち越しに成功。相手の暴投もあり、さらに１点を追加しリードを２点に広げた。

　８回には途中出場したキム・ヘソンが右中間へホームラン。さらに小刻みの良い攻撃でランナーをためると、１死三塁で５番のパク・ヘミンが見事なスクイズを決めるなど、空中戦だけでなく、小技も目立った韓国代表が７対４で阪神に勝利した。
  　阪神を率いる岡田彰布監督は韓国代表の印象について「ホームランは打ったけど、細かい所もやってくるね」とパワーに頼らない野球だと語り、イ・ガンチョル監督はスクイズで得点した場面は「選手たちが自主的に判断したもの」と言い、ノーサインだったと明かした。

　同監督は「最後の試合で勝利を飾り、いい雰囲気で東京に向かえる」と笑みを浮かべた。また、昨日侍ジャパンが大勝した試合を見たといい、「大谷はホームランらしいホームランだった。パワーがすごかった」と２打席連続本塁打を放った大谷の打棒には警戒を強めた。

　２試合続けて先頭打者を務めたエドマンは「（韓国代表で）プレーできることを誇りに思う。今日は勝てて良かった」と振り返った。セントルイス・カーディナルスで一緒にプレーするラーズ・ヌートバーとは「メールのやりとりをいつもしている」と言い、「彼がいる日本との対戦は楽しみ」と東京ドームでの“再会”を心待ちにしている。

　明日には東京ドームで練習し、９日の本番に備える韓国代表。初戦必勝を誓うチームの相手はオーストラリア代表で、2004年アテネ五輪の準決勝では日本に1-0で競り勝った侮れない相手だ。いよいよ、韓国代表のWBCがスタートする。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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