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侍ジャパン

今永昇太が開幕前夜に明かしたダルビッシュ有への感謝「あの人がいなければ、投手陣はここまで良い心境じゃなかった」【WBC】

THE DIGEST編集部

2023.03.08

宮崎からチームの中心となってきたダルビッシュ。そんなベテラン右腕の行動力に同僚からも賛辞が集まった。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

宮崎からチームの中心となってきたダルビッシュ。そんなベテラン右腕の行動力に同僚からも賛辞が集まった。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 チームの結束力を高めてきたベテランの存在価値は計り知れない。

 3月8日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の開幕を翌日に控えたこの日、侍ジャパンは東京ドームで前日練習を敢行。シートノックや打撃練習などで軽く汗を流した。栗山英樹監督が「あとはひたすら信じ抜いて戦っていく」と語ったように、チーム状況は上々と言える。

 今大会の侍ジャパンは、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)ら4人のメジャーリーガーに加え、村上宗隆(ヤクルト)や佐々木朗希(ロッテ)などNPBで活躍するスターも集結。「史上最強」という呼び声も高く、国内外で快進撃への期待が膨らみ続けている。

 ゆえにプレッシャーも半端ではないわけだが、選手たちにメンタル面での不安は見られない。8日の練習後に会見に登場した今永昇太(DeNA)は「年上の方たちがチームを作ってくれた。本当に和やかです」と明かし、2月17日から始まった宮崎での春季合宿で率先してチームを統率した最年長のダルビッシュへの感謝を述べた。

「本当に家族のような感じになっています。冗談を言い合ったり、お互いに技術を教え合ったりして高め合ったり、時には弱みも見せたりする。そういう関係性が築けている。自分は本当に宮崎合宿から参加してくれたダルビッシュさんには感謝しています。あの人がいなければ、投手陣がここまで良い心境で大会を迎えられなかったと思います」

 そもそも宮崎合宿でのメジャーリーガーの参加は「厳しいのではないか」という見方が強かった。MLBが設ける保険の関係によりプレーの制約があったためである。実際、ダルビッシュを除いた3人は不参加を余儀なくされた。
 
 そうしたなかで、宮崎に乗り込んだダルビッシュは、「もう友だちだと思っている」と、自分よりも一回り年下の選手たちと積極的に交流を図った。そして野球談議やコンディションの調整方法などあらゆる話題に花を咲かせ、“近寄りがたい”という壁を崩した。

 ピッチングと同様に多彩な話術で、自然と同僚たちを惹きつけた。そしてチームの団結は深まったのである。

 心身共に万全の状況で迎える今永は大会への意気込みを語っている。

「これだけたくさんの素晴らしい選手の中で野球ができることにワクワクしています。世界一という目標に向かって、明日から一歩一歩階段を上がれれば、良いと思います」

 かつてないほどの期待を集めるなかで、精神的にも充実の日々を送る侍ジャパン。3月9日に迎える中国戦への楽しみは尽きない。

取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)

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