中南米の雄は、負けてからも威風堂々と振る舞い続けた。
現地3月20日に、フロリダ州マイアミにあるローンデポ・パークで開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準決勝で、日本代表と激闘を繰り広げたのは、メキシコ代表だった。
4回表にルイス・ウリアス(ミルウォーキー・ブリュワーズ)が、侍ジャパンの先発・佐々木朗希(ロッテ)から特大の3ランホームランを放って先制すると、同点とされた8回表には、アレックス・ベルドゥーゴ(ボストン・レッドソックス)とアイザック・パレデス(タンパベイ・レイズ)のタイムリーで勝ち越した。だが、懸命に食らいつく侍ジャパンにあと一歩だけ及ばなかった。
試合後に「これが野球だ。今日は日本に帽子を脱ぐしかないと思う。どっちかが勝つしかないんだ。両チームが素晴らしい仕事をしたと思うし、誰も諦めてはいなかった」とはメキシコのベンジー・ヒル監督。巧みな継投策で日本を苦しめた指揮官の言葉にあるように、中南米の雄は最後まで戦い抜いた。
そんな彼らの試合後の振る舞いが話題となっている。敗戦のショックがぬぐい切れないであろう最中に、ダグアウト前に整列。試合中に大声援を送ったメキシコ、そして遠い試合会場にも駆け付けた日本のファンに向けても、脱帽して一礼したのだ。
負けてなお、ふてくされることなく振る舞った姿は敗者の美徳と言えよう。そんな勇ましいメキシコの戦士たちには反響が相次いでいる。米スポーツ専門局『FOX Sports』のポッドキャスト番組「Flippin' Bats Podcast」は「メキシコ代表の最後の挨拶でファンに敬意を表した。彼らのパフォーマンスは素晴らしい」と絶賛。さらに米メディア『Barstool Sports』のジャレッド・カラビス記者は自身のツイッターに「メキシコはよくやった」と記し、こう追記した。
「メキシコの大活躍だ。彼らは1次ラウンドでアメリカを打ちのめし、準々決勝ではプエルトリコを倒し、そして今日は日本を極限まで追い詰めたんだ。なにも頭を下げる必要はない。本当に素晴らしい戦いぶりだった」
また、スター選手の怪我が悪目立ちした今大会は一部で「WBCのせいだ」と批判が相次ぎもした。そうした状況下で、世界を沸かせたこのドラマチックな準決勝は、WBCの意義を表すものだと言っていい。ゆえにヒル監督は試合後に世界へ力強く訴えかけた。
「たしかに日本は決勝に進んだ。だが、今夜は野球界の勝利だと言っていい」
構成●THE DIGEST編集部
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試合後に「これが野球だ。今日は日本に帽子を脱ぐしかないと思う。どっちかが勝つしかないんだ。両チームが素晴らしい仕事をしたと思うし、誰も諦めてはいなかった」とはメキシコのベンジー・ヒル監督。巧みな継投策で日本を苦しめた指揮官の言葉にあるように、中南米の雄は最後まで戦い抜いた。
そんな彼らの試合後の振る舞いが話題となっている。敗戦のショックがぬぐい切れないであろう最中に、ダグアウト前に整列。試合中に大声援を送ったメキシコ、そして遠い試合会場にも駆け付けた日本のファンに向けても、脱帽して一礼したのだ。
負けてなお、ふてくされることなく振る舞った姿は敗者の美徳と言えよう。そんな勇ましいメキシコの戦士たちには反響が相次いでいる。米スポーツ専門局『FOX Sports』のポッドキャスト番組「Flippin' Bats Podcast」は「メキシコ代表の最後の挨拶でファンに敬意を表した。彼らのパフォーマンスは素晴らしい」と絶賛。さらに米メディア『Barstool Sports』のジャレッド・カラビス記者は自身のツイッターに「メキシコはよくやった」と記し、こう追記した。
「メキシコの大活躍だ。彼らは1次ラウンドでアメリカを打ちのめし、準々決勝ではプエルトリコを倒し、そして今日は日本を極限まで追い詰めたんだ。なにも頭を下げる必要はない。本当に素晴らしい戦いぶりだった」
また、スター選手の怪我が悪目立ちした今大会は一部で「WBCのせいだ」と批判が相次ぎもした。そうした状況下で、世界を沸かせたこのドラマチックな準決勝は、WBCの意義を表すものだと言っていい。ゆえにヒル監督は試合後に世界へ力強く訴えかけた。
「たしかに日本は決勝に進んだ。だが、今夜は野球界の勝利だと言っていい」
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