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侍ジャパン

「メジャー主体でも違う」前代未聞の日程変更に侍ジャパンの栗山英樹監督も苦言! WBCに「さんざっぱら訴えてる」

THE DIGEST編集部

2023.03.27

WBCの発展をかねてから願ってきた栗山監督。それだけに今大会期間中に下された発表には異を唱えた。(C)Getty Images

WBCの発展をかねてから願ってきた栗山監督。それだけに今大会期間中に下された発表には異を唱えた。(C)Getty Images

 去る3月21日(現地)に幕を閉じた第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本代表が史上最多3度目の優勝を達成した。決勝でアメリカ代表との大接戦を制する形での戴冠劇には、いまだ興奮冷めやらぬ状態が続いている。

 そんな世界大会において、驚きの決定が下されたのは忘れてはならないだろう。それはWBCを運営したMLBが準々決勝の行なわれる直前の3月16日に突如として発表したものだった。

 当初の予定では、日本が準決勝まで勝ち進んだ場合、1次ラウンドの順位に関係なくアメリカと対戦する予定となっていた。実際にWBCの公式サイトに掲載されたトーナメント表には、「1次ラウンドの順位に関係なく準決勝に進出すれば20日(日本時間21日)に対戦する」と注釈も添えられていた。

 しかし、だ。アメリカが1次ラウンドのプールCを2位通過する結果に終わると、準々決勝の日程が突然変更に。結果的にトーナメント表において日本とは逆の山に入り、日米両国は決勝まで顔を合わせない配置となったのである。これについて東京ドームで開いた会見でメジャーリーグのチーフオペレーション兼ストラテジーオフィサーを務めるクリス・マリナック氏は「いつの状況か把握していないが、違った情報」と説明するだけにとどまった。

 大会期間中に下された前代未聞の一方的な決定には侍ジャパンの指揮官も苦言を呈する。
 
 3月27日に都内の記者クラブで会見を開いた栗山英樹監督は「結果的には良かったんですけど……」と言葉を選びながら、“世界”を迷わせた運営の決断に疑問を投げかけた。

「ルールを最初から決めておかないと。進みながら変わることがすごいいっぱいあった。僕は準決勝の相手はアメリカだと思っていたので…僕は優勝するというよりも、本気のアメリカをやっつけたいと1年半やってきた。投手作りもそういうイメージでやっていたのに、アメリカ決勝なんだっていう。

 最初からこっちは何年もかけてイメージしていく。途中からルールが変わるのはいくらメジャー主体でも、それは違うだろうと思うし。そういうことは、こっちもさんざっぱら訴えていますので、まずはルールをきちんと決めてほしいなという思いです」

 今大会を終えて、野球の人気回復の兆しも見えた。それだけに“アメリカ・ファースト”な決定で方針を変えてしまうのは、やはりナンセンスだと言わざるを得ない。

構成●THE DIGEST編集部

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