窮地を抜け出すと、そこからは“お化けフォーク”の独壇場だった。

　現地日曜日、今季ニューヨーク・メッツに入団した千賀滉大がマイアミ・マーリンズ戦で先発登板。しかしいきなり初回に１点を失うと、なおも無死満塁の大ピンチを招える。なんとか強打者ユリエスキ・グリエルをフォークで空振り三振に切って取り、続くヘスス・サンチェスもフォークで空振り三振、そしてジョン・バーディーを打ち取って追加点を許さなかった。

　以降は尻上がりに調子を上げて、伝家の宝刀であるフォークが随所で炸裂させる。終わってみれば５回３分の１を投げて３安打、８奪三振、１失点１、３四球の好投。チームは５対１で勝利し、千賀はMLBデビュー戦で見事に初白星を掴んだ。

　地元メディア『NY Daily News』は１回裏の大ピンチでのシーンを切り取っている。千賀は試合後に「自分の足がゴースト（お化け）だった」と笑いを誘いつつ、「少しずつ、雰囲気に慣れていきました。コーチ（投手コーチのジェレミー・ヘフナー）がマウンドに来てくれたのは助かったし、多くの選手が僕に自信のある言葉を投げかけてくれました。とくに、フランシスコ（リンドーア）がずっと声を掛け続けてくれたんです」と感謝を口にした。
  　そこで同メディアはリンドーアを直撃。「彼はあまり多くを語らない選手だが、センガには“俺が後ろについているぞ。だから絶対に謝ったりするな！”と語りかけて発破をかけたと明かしてくれた」と伝えている。名ショートでプエルトリコ出身のリンドーアは、10年総額３億4100万ドル（約452億円）の大型契約を結ぶメッツの顔のひとりだ。

　チームメイトたちの堅守と好打、そして熱い激励に支えられて上々のスタートを切った千賀。はたして２度目の登板ではどんなハイパフォーマンスを披露してくれるのか、今から楽しみだ。

構成●THE DIGEST編集部

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