侍ジャパン

ヌートバーが伝えたダルビッシュ有への“感謝”。米紙で侍J合流の舞台裏を明かす「わざわざ会いに来てくれた」

THE DIGEST編集部

2023.04.09

侍ジャパンで一大フィーバーを巻き起こし、人気を博したヌートバー(左)。その活躍の裏にはダルビッシュ(右)のサポートがあった。(C)Getty Images、写真:梅月智史

 先月21日、日本代表が世界一に輝いた第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。アメリカ代表との激闘を制したサムライたちが見せた快進撃は、大いに列島を賑わせたのは記憶に新しい。
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 侍ジャパンの史上最多3度目の世界制覇は実に14年ぶりの快挙だった。当然、道程は平たんではなく、そこに至るまでには多くのヒーローたちの活躍があったわけだが、そのなかで日本人のハートを掴んだのが、ラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)だろう。

 史上初めて日系人プレーヤーで代表招集を受けた25歳は、全試合で「1番・センター」で先発出場を果たし、不動の"切り込み隊長"として活躍。攻守に全力で奔走する姿とグラウンド外で見せる明るいキャラクターが人気に火をつけ、巷で"たっちゃん"ブームを巻き起こした。

 日の丸を背負って闘った約3週間は「人生で最高の経験」と語ったヌートバーにとってもかけがえのないものである一方、異文化に溶け込むのは決して容易ではなかった。そんな彼がチームに馴染めるようにサポートしたのは、チーム最年長のベテラン右腕だった。

 現地4月8日に米老舗紙『New York Times』の取材に応じたヌートバーは、36歳のダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)とのコミュニケーションが鍵だと考えていたという。しかし、意外にも先に連携を図ってきたのは、大ベテランの方だったという。
 
「日本に到着したばかりの時だ。僕はその日はゆっくりして、早く寝て、次の日に球場でチームメイトたちと会う予定だったんだ。それでホテルで食事をしている時に、ドアが開いて、ダルビッシュが入ってきたんだよ。正直、かなり震えるぐらいに緊張したよ。こんな形で会うとは思っていなかったからね」

 予期せぬエースの来訪に驚きを隠せなかったヌートバー。しかし、ダルビッシュは「とても親切で、すぐに僕を安心させてくれた」と25歳の若武者は振り返っている。

「ダルビッシュは僕に『君が良いプレーができるように快適に過ごしてほしいから、必要なことは何でも遠慮なくたずねてほしい』と言ってくれたんだ。たぶん彼は僕に、わざわざ会いに来てくれたんだと思う。彼はどんな時も僕たちをまとめ、リードしてくれた。自分の役割を理解して、とくに若い投手たち自信を与え、彼らに本当に多くのことを教えていた」

 かねてWBCに向けて、「気負う必要はない」と公言していたダルビッシュ。そんな経験豊富な怪腕のさりげない気遣いが、ヌートバーの活躍に小さくない影響を及ぼしたのは間違いない。

構成●THE DIGEST編集部

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