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MLB

実はストラスバーグよりお買い得? ウィーラーが5年128.5億円でフィリーズへ

2019.12.05

5年1億1800万ドルでフィリーズ入りに同意したウィーラー。4シームの平均は96.8マイル、約155.8キロ(!)に達する。(C)Getty Images

5年1億1800万ドルでフィリーズ入りに同意したウィーラー。4シームの平均は96.8マイル、約155.8キロ(!)に達する。(C)Getty Images

 メッツからFAになっていた本格派右腕ザック・ウィーラーが5年1億1800万ドル(約128億4800万円)でフィリーズ入団に合意した。今オフのFA投手ではゲリット・コール、スティーブン・ストラスバーグに次ぐ存在と位置付けられていたウィーラーの去就が決まったことで、いよいよマーケットが本格的に動き出しそうな気配を見せている。

 今回のウィーラーの契約について、「高すぎる」という声が一部で(編集部内でも)出ている。確かに、当初の予想では5年1億ドル前後と見られていたことを思えば、相場がいくらか上がったことは事実ではある。だが、私は必ずしも「高すぎる」とは思わない。なぜならウィーラーは、さらに高額の契約を手にすることが確実なストラスバーグと比べても遜色ない実力を持っているからだ。

 何をバカな、と思う人もいるかもしれない。ストラスバーグは今季リーグ最多の18勝を挙げ、ポストシーズンでも大活躍してワールドシリーズMVPを獲得。ナショナルズ初の世界一の立役者となった。一方、ウィーラーは11勝、防御率3.96と(一見)平凡な成績でシーズンを終えた。少なくとも印象度では、ウィーラーはストラスバーグの足元にも及ばない。
 
 だが、ポストシーズンの働きはさておき、打者の援護や救援陣の出来などにも大きく左右される勝利数は、先発投手の真の力量を示す指標としては必ずしも有効ではない。さらに、2018年も含めたここ2年の成績を見れば、ウィーラーとストラスバーグには大きな力量差はないことが分かる。

●ストラスバーグ(2018-19)
投球回 :339.0
防御率 :3.48
FIP   :3:39
奪三振率:10.81
与四球率:2.50

●ウィーラー(2018-19)
投球回 :377.2
防御率 :3.65
FIP   :3:37
奪三振率:8.91
与四球率:2.50

 FIPとは奪三振・与四球・被本塁打の数値から算出した指標で、防御率よりも投手本来の力量を正確に表すとされている。そのFIPを含め、奪三振率以外はどの項目も大きな差がないことが分かるだろう。さらに、スタットキャストの今季データを見ると、打球初速や被ハードヒット率でウィーラーの方がストラスバーグより優れた数字を残している。
 

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