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プロ野球

【2019総括・日本ハム】ショートスターターが誤算続きも、若手野手の成長は収穫

出野哲也

2019.12.07

「策士策に溺れる」。これまで数々の奇策を成功させてきた栗山監督だが、今季はことごとく裏目に出た。写真:朝日新聞社

「策士策に溺れる」。これまで数々の奇策を成功させてきた栗山監督だが、今季はことごとく裏目に出た。写真:朝日新聞社

▶収穫と誤算

「先進的なチーム」を自負する日本ハムは、今季はアナリストを増員してメジャーリーグで流行中の作戦を次々と導入した。それが本格的な守備シフトであり、ショートスターターであった。

 1巡目は抑えられても2巡目以降が不安な投手、具体的には加藤貴之や杉浦稔大を先発させながらも早めに交代させ、2番手以降を豊富なブルペンで凌ぐのがショートスターター作戦。一応、理には適っていて、週1~2度の実施であれば効果的と思われたが、実際にはいくつも誤算が生じた。
 
 まずはバーベイト、ハンコックら新外国人投手が役に立たず、中継ぎの層が薄くなったこと。そしてマルティネス、上沢直之ら長いイニングを任せられる先発要員が離脱してしまったことだ。これにより「先発」の駒が不足し、それでもなおショートスタートを継続したためにブルペンの負担が増大。首位争いをしていても、これでは夏場以降は持たないのでは……との危惧は現実と化し、8~9月は14勝31敗、勝率3割そこそこと完全に崩壊した。

 レアードが抜けて深刻な長打力不足に陥った打線も下位低迷の要因だったが、収穫がないわけではなかった。田中賢介に代わる正二塁手に渡邉諒が定着。清水優心や平沼翔太、そして清宮幸太郎も多くの出場機会を得て、今季の成績だけを見れば良くなかったけれども、来季以降のステップアップの足がかりにはなった。投手では有原航平が覚醒し、先発の柱として計算できるようになったのも大きい。故障者が復帰し、用兵・采配を整理すれば再浮上の目はあるはずだ。
 

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