疲れ知らずの天才が胸をすくような快投を披露した。

　現地４月21日に行なわれた本拠地でのカンザスシティ・ロイヤルズ戦で、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平が「２番・指名打者兼投手」で先発登板。７回（102球）を投げて、被安打２、11奪三振、２四球、無失点の好投で、今季３勝目を挙げた。

　前回登板のボストン・レッドソックス戦から中３日で迎えた今季５度目のマウンドは、初回から快調に飛ばした。

　今季に多投しているスイーパーを中心とした変化球を織り交ぜた投球で三者連続三振を記録して幸先の良いスタートを切ると、その後も危なげない投球を披露。４回には１死一、二塁のピンチでロイヤルズ主砲のサルバドール・ペレスと対峙したが、相手のインコースから曲がってくるスイーパーでダブルプレーに打ち取って難を逃れた。

　圧巻だったのは、２点の援護をもらっていた６回からの２イニングだ。先頭のニッキー・ロペスに四球で出塁を許した大谷はロイヤルズの上位打線と対峙する局面でギアを上げると、なんと７回まで驚異の６者連続三振を記録。スイーパーを狙い打ちするようになった相手の裏を突く100マイル（約160.9キロ）近い４シームと緩いカーブの緩急を使った投球で見事に牛耳ったのだ。
  　結局、102球を投げ切ったところで降板した大谷。今季成績を５戦３勝とし、防御率も0.64にまで落とした。投球術の成長ぶりも顕著な二刀流の天才には、現地の識者たちも脱帽するしかない。

　メジャーリーグのありとあらゆる情報を発信し続けている米データ会社『Codify』は大谷が過去12先発で７失点しかしていないというスタッツを紹介したうえで「彼のピッチングは改善し続けられている。これは完全に常軌を逸している」と驚嘆。さらに「ピッチングニンジャ」の愛称で知られる投球分析家のロブ・フリードマン氏は「間違いなく彼は地球上で最も才能のある男だ」と奪三振ショーを絶賛した。

　先発の役割を担う圧巻の投球を披露した大谷。コンディション面の不安を吹き飛ばす快投は、流石というほかにない。

構成●THE DIGEST編集部

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