MLBのスター選手が浴びるのは歓声だけではない。時に激しく投げかけられる罵声や野次に負けない強靭なメンタルも、スターの条件なのかもしれない。そんなひと幕だった。
現地4月25日、フェルナンド・タティースJr.(パドレス)が敵地で行われたカブス戦に臨んだ。2021年に本塁打王を獲得し、球界きってのスター選手に上り詰めながら、昨年8月に禁止薬物使用で80試合の出場停止処分を受けたタティースJr.。処分が明け、20日の試合から復帰したばかりの彼が初回、ライトの定位置に就くと、右翼席に陣取ったカブスファンがここぞとばかりに強烈な野次を浴びせかけた。
「He’s on steroids!」(あいつはステロイド野郎だ!)
至近距離からこんな大合唱を浴びせられては、並みの選手なら委縮してしまいそうなところ。だが、タティースJr.は格が違った。5回1死一塁の場面で「ステロイド」コールが球場に響き渡る中、ライト前に上がったフライに鮮やかなダイビングキャッチを決めてみせたのだ。
タティースJr.が真に“強メンタル”を見せつけたのはこの後だ。
ビッグプレーの後でも、「ステロイド野郎!」の野次は鳴りやまないどころか、球場全体を包む大合唱となっていった。すると次の瞬間、タティースJr.は野次のリズムに合わせて腰を左右に振り始めたのだ。手ぶりも交えた鮮やかなダンスを披露し始めたのだ。しばらく気持ち良さそうに踊った後、タティースJr.はとどめとばかりに右翼席に向かって右手を掲げ、人差し指を立ててみせた。
カブスファンを煽り立てるかのような行動には賛否両論あるものの、『FOX Sports』のアナリスト、ベン・バーランダーは「楽しいことが嫌いなら目を閉じるべきだ」と支持を表明。是非はともかくとして、少なくともその強心臓ぶりには脱帽するしかない。
今後も行く先々で強烈な野次やブーイングに晒されるであろうタティースJr.。だが、この超強力メンタルがあれば、難なく乗り越えてしまいそうだ。
構成●SLUGGER編集部
現地4月25日、フェルナンド・タティースJr.(パドレス)が敵地で行われたカブス戦に臨んだ。2021年に本塁打王を獲得し、球界きってのスター選手に上り詰めながら、昨年8月に禁止薬物使用で80試合の出場停止処分を受けたタティースJr.。処分が明け、20日の試合から復帰したばかりの彼が初回、ライトの定位置に就くと、右翼席に陣取ったカブスファンがここぞとばかりに強烈な野次を浴びせかけた。
「He’s on steroids!」(あいつはステロイド野郎だ!)
至近距離からこんな大合唱を浴びせられては、並みの選手なら委縮してしまいそうなところ。だが、タティースJr.は格が違った。5回1死一塁の場面で「ステロイド」コールが球場に響き渡る中、ライト前に上がったフライに鮮やかなダイビングキャッチを決めてみせたのだ。
タティースJr.が真に“強メンタル”を見せつけたのはこの後だ。
ビッグプレーの後でも、「ステロイド野郎!」の野次は鳴りやまないどころか、球場全体を包む大合唱となっていった。すると次の瞬間、タティースJr.は野次のリズムに合わせて腰を左右に振り始めたのだ。手ぶりも交えた鮮やかなダンスを披露し始めたのだ。しばらく気持ち良さそうに踊った後、タティースJr.はとどめとばかりに右翼席に向かって右手を掲げ、人差し指を立ててみせた。
カブスファンを煽り立てるかのような行動には賛否両論あるものの、『FOX Sports』のアナリスト、ベン・バーランダーは「楽しいことが嫌いなら目を閉じるべきだ」と支持を表明。是非はともかくとして、少なくともその強心臓ぶりには脱帽するしかない。
今後も行く先々で強烈な野次やブーイングに晒されるであろうタティースJr.。だが、この超強力メンタルがあれば、難なく乗り越えてしまいそうだ。
構成●SLUGGER編集部
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