プロ野球

好スタートのキーワードは“復活”と“覚醒”!四半世紀ぶりの優勝を狙う三浦ベイスターズの強み【DeNA】

萩原孝弘

2023.05.26

好調のDeNA投手陣を支える平良(左)と東(中央)。プロ10年目の関根(右)は今季絶好調だ。写真:萩原孝弘

 現在セ・リーグ2位につけ、首位・阪神の背中を虎視眈々と狙う横浜DeNA。一昨年の最下位から"逆襲"を掲げた昨年は2位まで躍進。三浦大輔監督政権3年目の今年は、満を持して"頂"を極める"戦"を掲げてシーズンインし、一時は貯金を10まで増やし首位をキープするなど、好調な戦いを披露している。

 ここまでの戦歴を探ってみると、投打ともに昨年よりも貢献度の高いプレーヤーの活躍が目を引いている。

 まず投手陣では、開幕してから5月6日までに挙げた19勝のうち、14試合で先発投手がクオリティスタート(QS)を達成。逆に開幕4連敗と5月9日から16日まで続いた6連敗中は、先発が序盤から崩れQSは皆無と苦しい戦いを強いられていた。立て直してきた直近5試合は再びQS3回、ほか2試合も5回まで先発が踏ん張る展開で勝ち星を拾っている。

 これは先取点を取ったゲームは14勝5敗1引き分けで、そのうち12試合ですんなりと逃げ切りに成功していることともリンク。ある程度まで先発がゲームメイクすることができれば、伊勢大夢、入江大生、三嶋一輝、JB.ウェンデルケン、山﨑康晃らを擁するブルペン陣の力で逃げ切る形を作ることができることを意味している。
 
 その好調な先発陣の中でも、印象的な活躍を見せているのがトミー・ジョン手術から復帰した東克樹と平良拳太郎の2人。ともに開幕からローテーションに加わり、平良は4月5日に開幕4連敗を止める6回無失点を披露すると、翌日には負けじと東が7回無失点で連勝を飾り、その後一気に借金を返済する原動力となった。

 平良は「この2年間、また戻ったときには今までよりも絶対良い投球ができるようにやってきた。いままでなかった真っ直ぐで空振りが取れている」とリハビリ中にウェイトトレーニングで手に入れたガッシリとした下半身を駆使した強いストレートに手応え。

 東は踏み出した足が着地するまでの時間を取り、ホームに向かって平行に身体を移行する「並進運動の時間を長くしようというところを意識」したフォームを身につけ、結果的に速く、強くなったストレートを軸にしたピッチングを披露している。
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