大谷翔平(エンジェルス)の驚異的な活躍が日米のメディアを日々賑わせているが、一方のナショナル・リーグでも一人のルーキーが歴史的なパフォーマンスを披露している。
西地区首位を走るダイヤモンドバックスを牽引するコービン・キャロルだ。
2019年ドラフト全体16位でプロ入りしたキャロルは、昨年8月29日にメジャーデビュー。MLB.comのプロスペクト・ランキングで全体2位に選出され、新人王最有力候補として開幕を迎えた今季はここまで期待通り、いやそれ以上の活躍を見せている。
球界トップクラスのスピードに加えて、178cm・74kgの小柄な身体に似合わぬパワーを誇り、6月17日(現地)終了時点で打率.307、15本塁打、OPS.982、19盗塁を記録。打率はリーグ5位、盗塁は3位、そしてOPSは堂々1位で、新人王はもちろん、MVP争いでも有力候補に名乗りを上げている。
現在、ナ・リーグのMVPレースで先頭を走るのは、同じくパワー&スピードが持ち味のロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)だが、総合的な勝利貢献度を示す指標WARで見ればキャロルもまったく互角。インパクトの大きさや、予想外の快進撃を続けるチームでの存在感も考慮すれば、今後はキャロルをMVPに推す声も大きくなっていくに違いない。
もし新人王をMVPを同時に受賞すれば、ナ・リーグでは史上初、MLB全体でも1975年のフレッド・リン(レッドソックス)、そして2001年のイチロー(マリナーズ)に次いで史上3人目の快挙となる。
奇しくもというべきか、キャロルはシアトル出身。もちろん、幼い頃からイチローに憧れて育った。
19年春、ドラフト候補として注目されていたキャロルはマリナーズに招かれ、イチローと直接会う機会を得た。この時、キャロルは子供の頃に初めて買ってもらったイチローのユニフォームを持参して記念写真を撮影。その時の写真を、キャロルは今もスマートフォンの待ち受け画面にしている。
記念写真より大きな収穫もあった。イチローから日々のルーティンを大事にすることを教わったのだ。シーズンは長く、山あり谷ありの日々が続く。それでも、「毎日同じルーティンを維持することで、少なくとも試合への準備に100%の力尽くしたと自信を持てる」――イチローから得た教訓を、キャロルはそんな風にまとめている。
ちなみに、キャロルの母は台湾出身。今年3月のWBCでも、チャイニーズ・タイペイ代表候補として招集されていた。「レギュラーシーズンに集中するため」という理由でこの時は辞退したが、次回以降の出場には意欲を見せているという。26年に予定されている第6回大会では、日本のライバルとして立ちはだかるかもしれない。
構成●SLUGGER編集部
西地区首位を走るダイヤモンドバックスを牽引するコービン・キャロルだ。
2019年ドラフト全体16位でプロ入りしたキャロルは、昨年8月29日にメジャーデビュー。MLB.comのプロスペクト・ランキングで全体2位に選出され、新人王最有力候補として開幕を迎えた今季はここまで期待通り、いやそれ以上の活躍を見せている。
球界トップクラスのスピードに加えて、178cm・74kgの小柄な身体に似合わぬパワーを誇り、6月17日(現地)終了時点で打率.307、15本塁打、OPS.982、19盗塁を記録。打率はリーグ5位、盗塁は3位、そしてOPSは堂々1位で、新人王はもちろん、MVP争いでも有力候補に名乗りを上げている。
現在、ナ・リーグのMVPレースで先頭を走るのは、同じくパワー&スピードが持ち味のロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)だが、総合的な勝利貢献度を示す指標WARで見ればキャロルもまったく互角。インパクトの大きさや、予想外の快進撃を続けるチームでの存在感も考慮すれば、今後はキャロルをMVPに推す声も大きくなっていくに違いない。
もし新人王をMVPを同時に受賞すれば、ナ・リーグでは史上初、MLB全体でも1975年のフレッド・リン(レッドソックス)、そして2001年のイチロー(マリナーズ)に次いで史上3人目の快挙となる。
奇しくもというべきか、キャロルはシアトル出身。もちろん、幼い頃からイチローに憧れて育った。
19年春、ドラフト候補として注目されていたキャロルはマリナーズに招かれ、イチローと直接会う機会を得た。この時、キャロルは子供の頃に初めて買ってもらったイチローのユニフォームを持参して記念写真を撮影。その時の写真を、キャロルは今もスマートフォンの待ち受け画面にしている。
記念写真より大きな収穫もあった。イチローから日々のルーティンを大事にすることを教わったのだ。シーズンは長く、山あり谷ありの日々が続く。それでも、「毎日同じルーティンを維持することで、少なくとも試合への準備に100%の力尽くしたと自信を持てる」――イチローから得た教訓を、キャロルはそんな風にまとめている。
ちなみに、キャロルの母は台湾出身。今年3月のWBCでも、チャイニーズ・タイペイ代表候補として招集されていた。「レギュラーシーズンに集中するため」という理由でこの時は辞退したが、次回以降の出場には意欲を見せているという。26年に予定されている第6回大会では、日本のライバルとして立ちはだかるかもしれない。
構成●SLUGGER編集部
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