オリックス三連覇のカギを握るエース山本由伸が発熱による「特例2023」から、交流戦で復帰。離脱前の登板とは明らかに違う投球を見せている。交流戦を終えた時点の防御率は1.59、勝利数も6勝と本来の力を発揮し始めた。防御率はまだ規定投球回に達していないが、入ればもちろんリーグ1位の成績である。
昨年もスロースターターだっただけに、あまり気にならないのだが、今季序盤は制球に苦しみ四球を出したり、球数を要して6回や7回で降板してしまうことが見られたが、交流戦は3試合に登板し、完投こそないものの、いずれも8回を投げ切って3戦全勝を挙げている。
6日の巨人戦(京セラ)では、9回へのこだわりについて「まあ球数もまあまあ行ってたし、秘密ですね。いろんな事情がありますので。はい」と笑顔で語り、「まあタイミング合った時というか、いろいろ都合が良い時と言うか、そういった時に9回には多分上がれると思うけど」と続けた。
三連覇へ向け、山本が怪我で離脱することだけは避けたいチーム事情もあるのだろう。だが、本人も話しているようにチームが優勝争いの佳境に入った時など、今後は重要な場面では完投することもあるはずだ。 投球内容については本人も「先週よりも今日の方が投げている感覚は良かった」と手応えを感じている。一方で「いい投球もあればちょっと納得いかないボールもあったかなとはもちろん思う」とまだまだ満足しないのが山本らしいところ。
「由伸さんの球は最後に浮くんですよ」と。ショートというある意味で特等席から山本の投球を見続けている紅林弘太郎が話していたが、復帰後はこの157キロ前後のキレのあるストレートを軸にしつつも、カーブの精度がさらに高くなっていた。昨年に比べて奪三振数が少ないが、今後はこのカーブで三振の山を築き上げるだろう。
毎試合のように「とにかく良いボールを投げることに集中して、しっかり良い球を投げられたと思う」と話す山本。キャンプ、WBC、シーズン中とフォーム改造の話が度々話題になっているが、無駄な動きを省いたら現在の形になっただけで、山本自身は変えたという認識はない様子。復帰後の球のキレを見ると、本人が描く理想の状態まであとわずかなところまで来ているように思う。
もちろん、理想にたどり着いても満足しないのが山本由伸という男。これからどんな投球でチームを三連覇に導いてくれるのか、楽しみにしたい。
取材・文●どら増田
【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。
昨年もスロースターターだっただけに、あまり気にならないのだが、今季序盤は制球に苦しみ四球を出したり、球数を要して6回や7回で降板してしまうことが見られたが、交流戦は3試合に登板し、完投こそないものの、いずれも8回を投げ切って3戦全勝を挙げている。
6日の巨人戦(京セラ)では、9回へのこだわりについて「まあ球数もまあまあ行ってたし、秘密ですね。いろんな事情がありますので。はい」と笑顔で語り、「まあタイミング合った時というか、いろいろ都合が良い時と言うか、そういった時に9回には多分上がれると思うけど」と続けた。
三連覇へ向け、山本が怪我で離脱することだけは避けたいチーム事情もあるのだろう。だが、本人も話しているようにチームが優勝争いの佳境に入った時など、今後は重要な場面では完投することもあるはずだ。 投球内容については本人も「先週よりも今日の方が投げている感覚は良かった」と手応えを感じている。一方で「いい投球もあればちょっと納得いかないボールもあったかなとはもちろん思う」とまだまだ満足しないのが山本らしいところ。
「由伸さんの球は最後に浮くんですよ」と。ショートというある意味で特等席から山本の投球を見続けている紅林弘太郎が話していたが、復帰後はこの157キロ前後のキレのあるストレートを軸にしつつも、カーブの精度がさらに高くなっていた。昨年に比べて奪三振数が少ないが、今後はこのカーブで三振の山を築き上げるだろう。
毎試合のように「とにかく良いボールを投げることに集中して、しっかり良い球を投げられたと思う」と話す山本。キャンプ、WBC、シーズン中とフォーム改造の話が度々話題になっているが、無駄な動きを省いたら現在の形になっただけで、山本自身は変えたという認識はない様子。復帰後の球のキレを見ると、本人が描く理想の状態まであとわずかなところまで来ているように思う。
もちろん、理想にたどり着いても満足しないのが山本由伸という男。これからどんな投球でチームを三連覇に導いてくれるのか、楽しみにしたい。
取材・文●どら増田
【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。