今年のロンドン・シリーズで、MLBはカーディナルス対カブスというナショナル・リーグの古くからのライバル対決を用意した。
試合は、プレミアリーグのウエストハム・ユニナイテッドの本拠地ロンドン・スタジアムで行われた。イングランドには、MLBの公式戦を開催するための構造条件を満たすスタジアムは決して多くない。だが、12年のロンドン五輪で主競技場とあったロンドン・スタジアムには陸上用のトラックもあり、条件をクリアしていた。
そして、400人の人手と18日間の期間をかけて、フットボール・スタジアムを野球場に変貌させたのだ。主催者はアメリカから345トン分のクレーを輸入し、野球用のダイヤモンドを作り上げた。
試合の映像を見れば、ロンドン特有の曇り空を除けば、まるでアメリカにいるような気分になる。それこそが主催者側の狙いであり、実際、とてもアメリカ的な体験を味わうことができた。
カブスが最後にロンドンで試合をしたのは134年も前のことで、投じはシカゴ・ホワイトストッキングスと呼ばれていた。彼らはボートに乗ってザ・チャンネル(注:イギリス南岸とフランス北岸との間の海峡)の危険な水域を通り、フランスからイギリスへと渡った。もちろん、カブスの選手たちは今回はそんなことをする必要はなかった。
MLBは新規市場開拓を目指し、4年前に初のロンドン・シリーズを開催した。レッドソックスとヤンキースが2試合を戦い、興行的にも成功を収めた。翌年もロンドン・シリーズが予定されていたが、コロナ禍のため中止になっていた。 19年の最初のロンドン・シリーズで、MLBは大胆にも球界最大のライバル対決を持ってきた。そのため、これに相当するカードを用意するのは簡単ではなかったが、カーディナルス対カブスなら僅差の2位といったところだろう。
私が見る限り、レッドソックス対ヤンキース戦に比べると観客の数はやや少なかったようだ。もっとも、イギリスは現在、不況の真っ只中で、人々は出費にかなり神経質になっている。
むしろ今回残念だったのは、真のスーパースターが不在だったことだ。前回はアーロン・ジャッジ(ヤンキース)がおり、彼が打席に入るたびに本塁打への期待でかなり盛り上がった。また、イギリスのメディアが躍起になってジャッジを取り上げ、彼がいかにすごいスター選手なのかを報じた。そのことが、シリーズへ向けての大きな宣伝にもなっていた。
確かにカーディナルスとカブスはライバル関係にあるが、イギリス人にとってはなじみが薄い。MLBがロンドンやイギリスでの市場を本当に開拓したいなら、大谷翔平(エンジェルス)のような真のスーパースターを連れてくる必要があるだろう。
ロンドン・シリーズを成功させるためには、ボールパークを可能な限り“本物”に近づけることも重要だったが、その点に関してMLBの仕事は合格点だった。スタジアムには新たに10店ものバーが新設されていたが、これは私には驚きだった。というのも、イングランドのサッカーファンはかなりの大酒飲みなので、あれ以上のバーは必要ないと思っていたからだ! また、長さ2フィート(約60cm)にも及ぶ巨大ホットドッグ『ブームスティック』のような特別メニューも販売されていた。たくさんのファンが食べるのに苦労していたことをここに証言しておこう(笑)!
試合は、プレミアリーグのウエストハム・ユニナイテッドの本拠地ロンドン・スタジアムで行われた。イングランドには、MLBの公式戦を開催するための構造条件を満たすスタジアムは決して多くない。だが、12年のロンドン五輪で主競技場とあったロンドン・スタジアムには陸上用のトラックもあり、条件をクリアしていた。
そして、400人の人手と18日間の期間をかけて、フットボール・スタジアムを野球場に変貌させたのだ。主催者はアメリカから345トン分のクレーを輸入し、野球用のダイヤモンドを作り上げた。
試合の映像を見れば、ロンドン特有の曇り空を除けば、まるでアメリカにいるような気分になる。それこそが主催者側の狙いであり、実際、とてもアメリカ的な体験を味わうことができた。
カブスが最後にロンドンで試合をしたのは134年も前のことで、投じはシカゴ・ホワイトストッキングスと呼ばれていた。彼らはボートに乗ってザ・チャンネル(注:イギリス南岸とフランス北岸との間の海峡)の危険な水域を通り、フランスからイギリスへと渡った。もちろん、カブスの選手たちは今回はそんなことをする必要はなかった。
MLBは新規市場開拓を目指し、4年前に初のロンドン・シリーズを開催した。レッドソックスとヤンキースが2試合を戦い、興行的にも成功を収めた。翌年もロンドン・シリーズが予定されていたが、コロナ禍のため中止になっていた。 19年の最初のロンドン・シリーズで、MLBは大胆にも球界最大のライバル対決を持ってきた。そのため、これに相当するカードを用意するのは簡単ではなかったが、カーディナルス対カブスなら僅差の2位といったところだろう。
私が見る限り、レッドソックス対ヤンキース戦に比べると観客の数はやや少なかったようだ。もっとも、イギリスは現在、不況の真っ只中で、人々は出費にかなり神経質になっている。
むしろ今回残念だったのは、真のスーパースターが不在だったことだ。前回はアーロン・ジャッジ(ヤンキース)がおり、彼が打席に入るたびに本塁打への期待でかなり盛り上がった。また、イギリスのメディアが躍起になってジャッジを取り上げ、彼がいかにすごいスター選手なのかを報じた。そのことが、シリーズへ向けての大きな宣伝にもなっていた。
確かにカーディナルスとカブスはライバル関係にあるが、イギリス人にとってはなじみが薄い。MLBがロンドンやイギリスでの市場を本当に開拓したいなら、大谷翔平(エンジェルス)のような真のスーパースターを連れてくる必要があるだろう。
ロンドン・シリーズを成功させるためには、ボールパークを可能な限り“本物”に近づけることも重要だったが、その点に関してMLBの仕事は合格点だった。スタジアムには新たに10店ものバーが新設されていたが、これは私には驚きだった。というのも、イングランドのサッカーファンはかなりの大酒飲みなので、あれ以上のバーは必要ないと思っていたからだ! また、長さ2フィート(約60cm)にも及ぶ巨大ホットドッグ『ブームスティック』のような特別メニューも販売されていた。たくさんのファンが食べるのに苦労していたことをここに証言しておこう(笑)!
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