大谷翔平(エンジェルス)は、シーズン前から「アメリカン・リーグMVPの最有力候補」だった。理由は、彼が今のメジャーリーグ、いや、アメリカでも日本でも、他に誰も本格的に挑戦しない「投打二刀流」をやっているからだ。
その稀な存在ゆえ、「ユニコーン」などと表現する米メディアもあるほどだ。大谷が今後も、投手と打者の両方で主力選手に見合う活躍を続ける限り、MVPレースにおける優位性は揺るぎないように思われる。
6月15日のレンジャーズ戦、先発した大谷は6回2失点で今季6勝目を挙げながら、八回に両リーグ・トップタイとなる22号本塁打を放った。シーズンはまだ半分も終わっていないが、もしも、「日本人初の本塁打王獲得」なんてことになれば、その後半部分だけでMVP投票者は大谷をMVPに選出せざるを得なくなる。
大谷は試合後、記者会見でこう言っている。
「(ボールの)見え方がいいので、構えた段階で、結果云々ではなくて、もちろん結果もいいですけど、なるべくしてなっている感じがいいんじゃないかと思います」
彼の打撃が今までと違ったレベルにあることは確かで、6月2日から同日まで12試合連続でヒットを記録。その間、打率.489、出塁率.571、長打率1.111(OPS1.683)、7本塁打、16打点という驚異的な数字が、それを証明している。
大谷は翌日、3打数1安打(二塁打)で出場70試合目を終えたが、まさに、MVPレース「独走状態」の数字を残している。 ▼打撃
打率.301/出塁率.385/長打率.621/OPS1.006
269打数81安打 14二塁打3三塁打22本塁打 54打点10盗塁
▼投手
14試合82.0回6勝2敗(勝率.750)防御率3.29 105奪三振
奪三振率11.5 WHIP1.049
(いずれも出場70試合時点)
現時点で彼の他にア・リーグMVPの有力候補となっているのは、東地区首位レイズのワンダー・フランコ遊撃手、ブルージェイズのボー・ビシェット遊撃手、エンジェルスと同じア・リーグ西地区首位を行くレンジャーズのマーカス・セミエン二塁手、そして、昨年のMVPでヤンキースの主砲アーロン・ジャッジということになるが、誰かがジャッジのシーズン62本塁打を上回るか、三冠王を獲るか、あるいは、「1941年のテッド・ウイリアムス(レッドソックス)以来の打率4割誕生か?」と話題を集めるナ・リーグMVP候補、マーリンズのルイス・アライズ内野手のような活躍を見せない限りは、大谷を止めることはできない。
なぜなら、MVPの投票者(=全米野球記者協会の各支部から毎年、1リーグ1名選出される記者)には、大谷が初めてMVPを獲得した21年以来、「『投打二刀流』という信じられないことをやっているので、普通ならば毎年MVP」という大前提があり、大谷に投票しないのなら明確な理由がなければならないからだ。
昨年の投票者は、ジャッジがシーズン62本塁打を記録し、「1927年のベーブ・ルース(60本塁打)、1961年のロジャー・マリス(61本塁打)が打ち立てた記録を超えた」ことを念頭に置いて投票したし、実際に投票した人々の何人かはそのことが投票理由の一つだと語っている。
中地区で取材することが多い私の周辺には、「ジャッジの62本塁打は歴代7位なのに?」と疑問を持つ人もいたが、歴代最多のバリー・ボンズ(73本塁打)、2位のマーク・マグワイア(70本塁打)、3位のサミー・ソーサ(66本塁打)、4位のマグワイア(65本塁打)、5、6位のソーサ(64、65本塁打)はいずれも、「PED(パフォーマンス向上薬)」を使用して達成された疑いがかけられた記録であるため、ジャッジの62本塁打を「PEDを使用せずに打った真のシーズン最多本塁打記録」と表現した人もいた。
その稀な存在ゆえ、「ユニコーン」などと表現する米メディアもあるほどだ。大谷が今後も、投手と打者の両方で主力選手に見合う活躍を続ける限り、MVPレースにおける優位性は揺るぎないように思われる。
6月15日のレンジャーズ戦、先発した大谷は6回2失点で今季6勝目を挙げながら、八回に両リーグ・トップタイとなる22号本塁打を放った。シーズンはまだ半分も終わっていないが、もしも、「日本人初の本塁打王獲得」なんてことになれば、その後半部分だけでMVP投票者は大谷をMVPに選出せざるを得なくなる。
大谷は試合後、記者会見でこう言っている。
「(ボールの)見え方がいいので、構えた段階で、結果云々ではなくて、もちろん結果もいいですけど、なるべくしてなっている感じがいいんじゃないかと思います」
彼の打撃が今までと違ったレベルにあることは確かで、6月2日から同日まで12試合連続でヒットを記録。その間、打率.489、出塁率.571、長打率1.111(OPS1.683)、7本塁打、16打点という驚異的な数字が、それを証明している。
大谷は翌日、3打数1安打(二塁打)で出場70試合目を終えたが、まさに、MVPレース「独走状態」の数字を残している。 ▼打撃
打率.301/出塁率.385/長打率.621/OPS1.006
269打数81安打 14二塁打3三塁打22本塁打 54打点10盗塁
▼投手
14試合82.0回6勝2敗(勝率.750)防御率3.29 105奪三振
奪三振率11.5 WHIP1.049
(いずれも出場70試合時点)
現時点で彼の他にア・リーグMVPの有力候補となっているのは、東地区首位レイズのワンダー・フランコ遊撃手、ブルージェイズのボー・ビシェット遊撃手、エンジェルスと同じア・リーグ西地区首位を行くレンジャーズのマーカス・セミエン二塁手、そして、昨年のMVPでヤンキースの主砲アーロン・ジャッジということになるが、誰かがジャッジのシーズン62本塁打を上回るか、三冠王を獲るか、あるいは、「1941年のテッド・ウイリアムス(レッドソックス)以来の打率4割誕生か?」と話題を集めるナ・リーグMVP候補、マーリンズのルイス・アライズ内野手のような活躍を見せない限りは、大谷を止めることはできない。
なぜなら、MVPの投票者(=全米野球記者協会の各支部から毎年、1リーグ1名選出される記者)には、大谷が初めてMVPを獲得した21年以来、「『投打二刀流』という信じられないことをやっているので、普通ならば毎年MVP」という大前提があり、大谷に投票しないのなら明確な理由がなければならないからだ。
昨年の投票者は、ジャッジがシーズン62本塁打を記録し、「1927年のベーブ・ルース(60本塁打)、1961年のロジャー・マリス(61本塁打)が打ち立てた記録を超えた」ことを念頭に置いて投票したし、実際に投票した人々の何人かはそのことが投票理由の一つだと語っている。
中地区で取材することが多い私の周辺には、「ジャッジの62本塁打は歴代7位なのに?」と疑問を持つ人もいたが、歴代最多のバリー・ボンズ(73本塁打)、2位のマーク・マグワイア(70本塁打)、3位のサミー・ソーサ(66本塁打)、4位のマグワイア(65本塁打)、5、6位のソーサ(64、65本塁打)はいずれも、「PED(パフォーマンス向上薬)」を使用して達成された疑いがかけられた記録であるため、ジャッジの62本塁打を「PEDを使用せずに打った真のシーズン最多本塁打記録」と表現した人もいた。
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