京セラドーム大阪に取材に向かうと、全体練習の前にバットを振っている男がいる。今季、FAで埼玉西武から移籍してきた森友哉だ。小学生時代にはバファローズジュニアのメンバーとしてオリックスのユニフォームに袖を通し、大阪桐蔭では1年生から正捕手のスラッガーとして甲子園で脚光を浴びた。2013年のドラフト1位で西武に入団。生まれ育った大阪を離れた。2019年には首位打者に輝くなど、“山賊打線”の一角を担った。
昨季終了後に国内FA権行使を宣言すると、かねてから調査を進めていたオリックスが真っ先に獲得に乗り出し、4年推定総額18億円で契約した。入団会見で森は「小学6年生の時にバファローズジュニアのメンバーとしてプレーしていたので、またバファローズの一員になることができてすごくうれしく思います。捕手出身の中嶋(聡)監督が指揮するチームでプレーすることが自分のステップアップになると感じたので入団を決めました」と語った。
中嶋監督もそんな森の思いに応えて「捕手」での起用を明言。春季キャンプから同級生の若月健矢と競争させた。オリックスでは、昨季、捕手として最多出場を記録した伏見寅威がFAで北海道日本ハムに移籍。また、主砲としてチームを日本一に導いた吉田正尚がポスティングでメジャーに移ったこともあり、「打てる捕手」森の獲得は必然だったと言ってもいいだろう。
いざシーズンが始まると、森に負けじと若月もリード面だけではなく打撃でも存在感を見せるようになり、相乗効果を発揮。森が指名打者に回ったり、交流戦ではベンチスタートの試合もあった。
打撃面では、吉田正の穴を十分に埋める活躍を見せている。特にここぞという時の一打が多く、26日終了時点で得点圏打率は.373をマークしている。吉田正と同じくフルスウィングが魅力の森。本人はフルスウィングについて「バロメーターの一つでもあるけど、振れなくなるのが一番自分の中で怖いなというのはあるので、タイミングが合えば積極的にいこうというのは常々思っています」と話す。 一方で「初球凡打もすごく多いし、後ろの頓宮(裕真)にはすごい迷惑をかけているなというのはあるけど、それでも自分の持ち味かなと思ってやっています」とも語っている。
DHで出場する際、今年からベンチでは座らずに立っている。これに関しては「今年から自分の身体とすごく向き合うようになって、いい時の身体の状態、悪い時の状態が自分でも分かるようになってきて、その中で(ベンチに座ると)一発目の動きが悪いなと肌で感じるものがあったので、立とうと思った」と明かした。専属のトレーナーと話し合いながら、こうした動きを日頃から考えているようだ。
最近は3番を任されることが多い森。4番という打順については「いやいや4番だと思っていないですよ。4番目です。次にいい形で回すというのはしっかり思っています」と謙虚に話す。自身の活躍についても「もちろん自分が決めて勝てばうれしいですけど、自分が決めるというより全員でつないで得点する、全員で勝つというのはチームが掲げているテーマでもありますし、そこに自分ものっかっている」と、あくまでチームの勝利を最優先に考えている。おそらく、自分が来て連覇が止まるのではなく、チームを3連覇に導く気持ちが強いのだろう。
森のプレーや言葉からは、バファローズへの愛をヒシヒシと感じる。その謙虚な姿勢がチームを三連覇に導くはずだ。
取材・文●どら増田
【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。
昨季終了後に国内FA権行使を宣言すると、かねてから調査を進めていたオリックスが真っ先に獲得に乗り出し、4年推定総額18億円で契約した。入団会見で森は「小学6年生の時にバファローズジュニアのメンバーとしてプレーしていたので、またバファローズの一員になることができてすごくうれしく思います。捕手出身の中嶋(聡)監督が指揮するチームでプレーすることが自分のステップアップになると感じたので入団を決めました」と語った。
中嶋監督もそんな森の思いに応えて「捕手」での起用を明言。春季キャンプから同級生の若月健矢と競争させた。オリックスでは、昨季、捕手として最多出場を記録した伏見寅威がFAで北海道日本ハムに移籍。また、主砲としてチームを日本一に導いた吉田正尚がポスティングでメジャーに移ったこともあり、「打てる捕手」森の獲得は必然だったと言ってもいいだろう。
いざシーズンが始まると、森に負けじと若月もリード面だけではなく打撃でも存在感を見せるようになり、相乗効果を発揮。森が指名打者に回ったり、交流戦ではベンチスタートの試合もあった。
打撃面では、吉田正の穴を十分に埋める活躍を見せている。特にここぞという時の一打が多く、26日終了時点で得点圏打率は.373をマークしている。吉田正と同じくフルスウィングが魅力の森。本人はフルスウィングについて「バロメーターの一つでもあるけど、振れなくなるのが一番自分の中で怖いなというのはあるので、タイミングが合えば積極的にいこうというのは常々思っています」と話す。 一方で「初球凡打もすごく多いし、後ろの頓宮(裕真)にはすごい迷惑をかけているなというのはあるけど、それでも自分の持ち味かなと思ってやっています」とも語っている。
DHで出場する際、今年からベンチでは座らずに立っている。これに関しては「今年から自分の身体とすごく向き合うようになって、いい時の身体の状態、悪い時の状態が自分でも分かるようになってきて、その中で(ベンチに座ると)一発目の動きが悪いなと肌で感じるものがあったので、立とうと思った」と明かした。専属のトレーナーと話し合いながら、こうした動きを日頃から考えているようだ。
最近は3番を任されることが多い森。4番という打順については「いやいや4番だと思っていないですよ。4番目です。次にいい形で回すというのはしっかり思っています」と謙虚に話す。自身の活躍についても「もちろん自分が決めて勝てばうれしいですけど、自分が決めるというより全員でつないで得点する、全員で勝つというのはチームが掲げているテーマでもありますし、そこに自分ものっかっている」と、あくまでチームの勝利を最優先に考えている。おそらく、自分が来て連覇が止まるのではなく、チームを3連覇に導く気持ちが強いのだろう。
森のプレーや言葉からは、バファローズへの愛をヒシヒシと感じる。その謙虚な姿勢がチームを三連覇に導くはずだ。
取材・文●どら増田
【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。
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