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プロ野球

田中も浅村も則本も松井も放出してチーム再建へ...もし楽天がMLB流の主力途中トレードを敢行したらどんな交換要員を獲得できる?<SLUGGER>

出野哲也

2023.06.27

日本ではまず考えられないが、MLBでは田中のような選手でも容赦なく途中放出される。写真:産経新聞社

日本ではまず考えられないが、MLBでは田中のような選手でも容赦なく途中放出される。写真:産経新聞社

 交流戦を終えて、最下位に低迷する楽天(6月26日時点)。まだシーズンの半ばにも達していないが、3位までの差は11ゲームもあって、早くもクライマックス・シリーズ進出の望みも薄れかけている。この状態がオールスターまで続けば、メジャーリーグだと将来のために契約切れ間近のベテラン選手を若手と交換するトレードに踏み切るのが常道だ。

 もちろん日本では、そうしたことはまず起こらない。FA資格を持つ選手でも“宣言”というステップを踏む必要があるので、自動的にFAになるメジャーと比べて流出の可能性が低いのが理由の一つ。そして、そのようなトレードを敢行した日には、ファンから猛反発を食らうのも間違いない。「低迷→トレードで若手を獲得→数年かけて再浮上」というプロセスになじみがなく「毎年優勝を目指すのが当然」というメンタリティが支配的だからだ。

 ただ、楽天の場合、主力の高齢化が進む一方でなかなか若手が育っていない現状もあり、メジャー流の「大改革」に踏み切るにはいいタイミングであることも事実。現実味は薄いことは百も承知で、もし楽天がMLBのように主力の一斉放出に動いたらどうなるのか。どのチームからどんな選手を獲得できるのか、あるいは獲得するべきなのかを考えてみたい。
●田中将大⇔高橋優貴、松原聖弥(巨人)

 イーグルスの象徴的存在を放出すれば非難の嵐が巻き起こるだろうが、あくまでシミュレーションということで検討してみよう。ネックは推定4億7500万円とされる高額年俸。それでいて現在の成績とあらば、財政的余裕があり、かつ先発投手陣の強化が絶対必要なチームしか獲得に動けない。真っ先に思い浮かぶのはソフトバンクだが、さすがに本業の商売敵に看板選手は譲り渡しづらい。

 だが、巨人ならその種の心配は不要。交流戦では防御率3.00と立ち直りつつあっても、田中レベルの投手が入れば安心感はぐっと高まる。田中本人も移籍するなら、少年時代にファンだったチームが良さそうだ。

 これだけのビッグネームだと、交換要員もそれなりの選手になる。髙橋は18年のドラフト1位で、ここ2年は低迷しているけれども21年には11勝を挙げた。同じく21年に打率.274、12本塁打、15盗塁の好成績を残しながら頭打ちの松原も加えれば、釣り合いも取れそうだ。
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