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MLB

【DeNA】進化する“投げる哲学者”今永昇太が胸に刻むマインドとは? 高みを目指す左腕の極上の“エース論”

萩原孝弘

2023.07.20

首位争いをするDeNAの投手陣を支える今永。写真:萩原孝弘

首位争いをするDeNAの投手陣を支える今永。写真:萩原孝弘

☆無失点でも反省

 “投げる哲学者”の発する言葉は、ピッチング同様奥行きが深い。バラエティに富んだワードセンスだが、根底にあるのは一貫してチームに対する深く、そして熱い想いだ。

 15日には8回無失点と、猛暑の中カープ打線を牛耳った。しかしバトンを渡した山﨑康晃が痛恨被弾を浴びるなど後続が崩れ、結果的にチームは1点差でゲームを落とした。
 
 124球、被安打5、波に乗る広島にホームを踏ませぬ力投に「周りの人はナイスピッチングだったねとか、たくさんの方が言ってくれるとは思うんですけれど」と前置きしながらも「結果的に自分は8回無失点でしたけれどもチームは負けているので。僕が考えるべきことは、8回無失点だから大丈夫、俺は何も問題はないではない」とあえて自分に厳しく問いかける。

 試合終了直後に「7回、8回まで投げても、初回と変わらないようなクオリティのボールを投げるところが自分に足りないところ」、「なにか攻撃陣にリズムを持ってこれなかったのかとか、あそこでの無駄球はどうなのかとか、反省すべき点はたくさんあると思う」とこの日のピッチングプロセスを細かく分析。

「勝ってしまうとそこまで目を向けることは少なくなってしまう。負けたときには改めて学ぶべき物がたくさんあるので、僕自身がそう思わないといけないんです」と自分に言い聞かせるように頷いた。

 続けて「チームでやっているので。全員でやってるということ含めて野球なんで。僕はそういうマインドで野球をしなければならない」としっかりとした口調で言い切る姿には、主戦としての覚悟が満ち溢れていた。
 
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