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高校野球

初日からいきなり仙台育英と浦和学院が激突!愛工大名電×徳島商の伝統校対決にも期待【夏の甲子園初戦注目カード5選】<SLUGGER>

西尾典文

2023.08.05

いよいよ明日から始まる夏の甲子園。初日の仙台育英×浦和学院を皮切りに、初戦から好カードが多く組まれている。写真:THE DIGEST写真部

いよいよ明日から始まる夏の甲子園。初日の仙台育英×浦和学院を皮切りに、初戦から好カードが多く組まれている。写真:THE DIGEST写真部

いよいよ明日開幕する夏の甲子園。3日の組み合わせ抽選で初戦の対戦カードも決まったが、特に注目のカードを5試合ピックアップして見どころを紹介したいと思う。

▼大会1日目第3試合:浦和学院(埼玉)vs仙台育英(宮城)
 初日にいきなり実現した強豪校同士の対戦。過去2回の対戦成績は1勝1敗で、2018年夏は渡辺勇太朗(現・西武)を擁する浦和学院が9対0と圧勝しているが、今年は戦力的には仙台育英がリードしている印象だ。特に注目されるのが仙台育英の先発投手だ。力のある投手を5人揃え、実績的にはエースの高橋煌稀(3年)が一番だが、この夏は背番号10の湯田統真(3年)が重要な試合で登板している。得意の継投ではなく、宮城大会準々決勝の東北戦のように湯田一人に任せるという選択肢もある。

 一方の浦和学院は投手力こそ劣るものの、打線は決して負けていない。特に1番の小林聖周(3年)と2番の月山隼平(2年)はともに出塁率が高く、足も使える選手だけに、彼らがチャンスを作れるかが重要だ。ロースコアなら仙台育英、点の取り合いなら浦和学院が有利になりそうだ。

▼大会2日目第4試合:愛工大名電(愛知)vs徳島商(徳島)
 激戦の愛知大会3連覇を達成し、優勝候補の一角にも挙がる愛工大名電に徳島商が挑む。愛工大名電は地方大会でのチーム打率こそ高くないが、ここ一番で集中打が飛び出し、得点力は高い。中でも下級生ながら中軸を任されている石見颯真(2年)は春から夏にかけて大きく成長し、持ち味であるパワーに加えて確実性も向上。チームトップの10安打を放っている。タイプの異なる複数の投手を揃え、継投にも迷いが感じられない。内野も外野も守備力の高い選手が揃うのも強みだ。
 そんな愛工大名電でも絶対的有利と言い難いのは、徳島商の絶対的なエースである森煌誠(3年)が相手だからだ。下級生の頃から評判の本格派右腕で、一冬を超えて安定感も大幅にアップした印象を受ける。徳島大会5試合を1人で投げ抜き、45回を投げて失点はわずかに3、44三振を奪う快投を見せた。地方大会の疲れを心配する声もあるが、比較的日程的にはゆとりをもって地方大会を戦えているだけに、万全の状態で本大会にも挑めるはずだ。森が終盤まで愛工大名電を抑えることができれば勝機も見えてくるだろう。

▼大会5日目第2試合:明豊(大分)vs北海(南北海道)
 ともに地方大会を圧倒的な強さで勝ち上がった強豪同士による対戦。明豊は春の九州大会出場こそ逃したものの、昨年秋も沖縄尚学(沖縄)と接戦を演じており、攻守にバランスの良さが光る。投手ではエースの中山敬斗(3年)が大きく成長し、下級生の頃から経験のある森山塁(3年)も控える。打線は中軸が苦しんでも下位からでもチャンスを作ることができ、機動力が使えるのも大きな武器だ。

 一方の北海も旧チームからエースの熊谷陽輝(3年)がヒジの故障で苦しむ間に同じ右腕の岡田彗斗(3年)が成長。この夏はエースとして見事な投球を見せた。一方ファーストで出場することが多かった熊谷は6試合で5本塁打、打率.762と圧倒的な成績を残してバットで貢献した。熊谷の前後を打つ打者も力があり、4割近いチーム打率を誇る。甲子園を経験している選手がいる分、明豊の方がわずかに有利と思われるが、いずれにしても接戦となる可能性が高そうだ。
 
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