1時間34分の中断を経て、花巻東の佐々木洋監督は大きな決断を下した。
8回表1死一、二塁、カウント3ー2から突然の降雨により試合が中断。そのインターバルの間に頭をフル回転させて、投手を交代させることにしたのだ。
その理由は2つある。
一つは、中断前にマウンドにいた小松龍一の不調だった。背番号は「17」ながらチーム一の信頼を得ている右腕投手を下ろした理由を、指揮官はこう語る。
「中断の間に、小松のピッチング内容を振り返ってみたんです。ボールから始まっている打席ばかりでカウントが取れていなかった。これは再開後、ストライクを入れるのは厳しいんじゃないかと思いました。それで、(代わってリリーフした)中屋敷(裕介)はそういう場面に強い。ストライクも取れる子でしたので、託した方がいいかもしれないという決断になりました」
仲屋敷は再開後の初球がボール。四球を出してまったものの、後続を抑えてこの窮地を脱したのである。
難しい選択ではあったと思う。もちろん、中屋敷が再開後にいきなり好投できる保証はなかった。しかしその一方で、それまで投げていた小松の続投も容易なことではなかった。
小松は7回からの登板で、すでに球数は40近くに達していた。ここで1時間半以上の中断を挟んで投げるというのは過酷だった。まさに、佐々木監督が決断したもう一つの理由はここだった。
「仕切り直しで新しい投手で行った方がいいのではないかというのも交代の理由の一つです。あの後にもう1回マウンドに上がるのと、気持ちが入った投手が行くのとでは違うだろうなと考えました」
花巻東はかくしてピンチを防いだ。一方、攻撃面では少ないチャンスをものにした。
8回裏、先頭の久慈颯大がセーフティバントで出塁。雨後の足場がぬかるむ難しいシチュエーションだったが、それは守備も同じことが言えた。
走者にとっても野手にとってもやりにくいコンディションであると言うことが分かったこの走塁は、一つのヒントになった。試合を分けたのもその差だった。
1死からスラッガーの3番・佐々木麟太郎を迎えた場面も試合に大きかった。佐々木はカウント2−2から痛烈な打球を遊撃に放った。ダブルプレーもありえたコースだったが、クラーク国際の二遊間は早いうちに諦めてしまった。
佐々木に備えたシフトで、二塁手がやや一塁側に寄っていたためだ。
クラーク国際の二塁手・高木馴平が話す。
「打者が佐々木選手だったので、一、二塁間を締めていました。2つのアウトを狙うより、まずは一つのアウトを取ることを選択しました。仕方ないプレーだったと思います」
8回表1死一、二塁、カウント3ー2から突然の降雨により試合が中断。そのインターバルの間に頭をフル回転させて、投手を交代させることにしたのだ。
その理由は2つある。
一つは、中断前にマウンドにいた小松龍一の不調だった。背番号は「17」ながらチーム一の信頼を得ている右腕投手を下ろした理由を、指揮官はこう語る。
「中断の間に、小松のピッチング内容を振り返ってみたんです。ボールから始まっている打席ばかりでカウントが取れていなかった。これは再開後、ストライクを入れるのは厳しいんじゃないかと思いました。それで、(代わってリリーフした)中屋敷(裕介)はそういう場面に強い。ストライクも取れる子でしたので、託した方がいいかもしれないという決断になりました」
仲屋敷は再開後の初球がボール。四球を出してまったものの、後続を抑えてこの窮地を脱したのである。
難しい選択ではあったと思う。もちろん、中屋敷が再開後にいきなり好投できる保証はなかった。しかしその一方で、それまで投げていた小松の続投も容易なことではなかった。
小松は7回からの登板で、すでに球数は40近くに達していた。ここで1時間半以上の中断を挟んで投げるというのは過酷だった。まさに、佐々木監督が決断したもう一つの理由はここだった。
「仕切り直しで新しい投手で行った方がいいのではないかというのも交代の理由の一つです。あの後にもう1回マウンドに上がるのと、気持ちが入った投手が行くのとでは違うだろうなと考えました」
花巻東はかくしてピンチを防いだ。一方、攻撃面では少ないチャンスをものにした。
8回裏、先頭の久慈颯大がセーフティバントで出塁。雨後の足場がぬかるむ難しいシチュエーションだったが、それは守備も同じことが言えた。
走者にとっても野手にとってもやりにくいコンディションであると言うことが分かったこの走塁は、一つのヒントになった。試合を分けたのもその差だった。
1死からスラッガーの3番・佐々木麟太郎を迎えた場面も試合に大きかった。佐々木はカウント2−2から痛烈な打球を遊撃に放った。ダブルプレーもありえたコースだったが、クラーク国際の二遊間は早いうちに諦めてしまった。
佐々木に備えたシフトで、二塁手がやや一塁側に寄っていたためだ。
クラーク国際の二塁手・高木馴平が話す。
「打者が佐々木選手だったので、一、二塁間を締めていました。2つのアウトを狙うより、まずは一つのアウトを取ることを選択しました。仕方ないプレーだったと思います」
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