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単打でサイクル安打達成なのに迷わず二塁へ...“正直者”ヘンダーソンの決断に僚友は「俺ならわざと転んで一塁に残る」<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.08.21

新人王有力候補にも挙げられているヘンダーソン。今後もサイクル達成の機会はありそうだ。(C)Getty Images

新人王有力候補にも挙げられているヘンダーソン。今後もサイクル達成の機会はありそうだ。(C)Getty Images

 8月20日(現地)のアスレティックス対オリオールズ戦で世にも珍しい場面があった。

 主人公は、新人王有力候補にも挙げられているオリオールズのガナー・ヘンダーソン。この日、ヘンダーソンは第1打席は凡退したものの、第2打席から二塁打、本塁打、三塁打と大爆発。サイクルヒットに王手をかけた。

 迎えた8回の第5打席。ヘンダーソンが放った痛烈な当たりが一塁線を破る。ルーキーとしては球団史上初のサイクル安打達成!……と誰もが思った瞬間、ヘンダーソンはためらうことなく一塁を回って二塁ベースへ。結果は二塁打となり、自ら大記録を手放す結果となった。

 確かに、普通の状況なら二塁まで向かうのが普通の当たりではあった。だが、大記録達成がかかっていて、しかもオリオールズが10対1と大量リードしていたことを考えれば、そのまま一塁で止まっていても誰も責めなかったはず。事実、二塁に到達したヘンダーソンに対し、味方のオリオールズベンチからは「どうして二塁に行ったんだ!?」と言わんばかりのリアクションが出ていた。
 試合後、チームメイトのホーヘイ・マテオは「自分がもし同じ状況だったら、一塁ベースで(わざと)転んでそのまま止まる」と断言。当のヘンダーソンは「僕はただ全力プレーをしただけ。二塁に行くチャンスがあったからそうした。それが自分のスタイルだから」と清々しいコメント。

 サイクルヒットという「分かりやすい」大記録は逃したヘンダーソンだが、別の貴重な(そしてマニアックな)記録を樹立している。22歳52日での1試合4長打は、前身のブラウンズも含めて球団最年少記録。“正直者”のヘンダーソンには、今後も大記録を達成するチャンスがいくつも訪れそうだ。

構成●SLUGGER編集部

 
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