プロ６年目の東晃平が27日のロッテ戦に先発登板し、5.2回２失点で今季３勝目をマークした。ここまで６試合に登板（４先発）して３勝０敗と負け知らず。田嶋大樹や、26日に腰の張りを訴えた山下舜平大が離脱し、先発陣が手薄となっているチームで、東への期待は大きい。

　神戸弘陵学園高から2017年の育成ドラフト２位で入団。ファームで先発としての実績を積みながら、昨年７月28日にようやく支配下登録され、翌月には初勝利も挙げたが、一軍登板は４試合どまりだった。今季は４月に中継ぎでイニングまたぎの登板が２度あったもののファーム降格後は主に先発で起用され、５勝２敗、防御率2.18の好成績。７月30日の日本ハム戦で一軍再昇格を果たして先発すると今季初勝利を挙げた。

　続く８月６日の西武戦でも勝利を収めると、20日の日本ハム戦では勝ち星こそつかなったが自己最長の７回を無失点の好投。首脳陣の評価も日増しに高まっている。

　二軍時代から見てもらっている中嶋聡監督からは、内角攻めの重要性をしきりに説かれている。「内角を投げられない試合は下でも打たれることが多いですし、まだフォームがきれいで相手に怖さが伝わらない。（監督からは）『インコースをしっかり突いていけ。そうしたらスライダーもうまく使えるよ』っていう話だったので、そこが大事かなと思います」 　また、球の出力を上げるための身体作りにも余念がない。「食べるのは苦じゃないけど、筋トレの重量を今までより重くして、脂肪が筋肉に変わってより動きやすくなったのかなと思う。体脂肪が増えやすいタイプなので、そこだけ気を付けて20kg増えました」。トレーニングは「昨年ぐらいからやりだしていたけど、野球につながるようにトレーニングできるようになったのは今年からですね。舜平大とか山岡（泰輔）さんとかに聞きながらやりました」と明かした。

　夏は「苦手」だそうだが、その夏に好投を続けられているのは「自信になっている」という。「自分が出せる力は出せているんじゃないかと思う」と語る東。３連覇へ向けた残りの公式戦はもちろん、その先にあるポストシーズンでもキーマンになるかもしれない。

取材・文●どら増田

【著者プロフィール】
どらますだ／1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第９回 特集オリックス・バファローズ』（カンゼン）ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。