リーグ3連覇を目前に控えたオリックスにとって、今季の功労者の一人が森友哉であることは間違いない。昨年までチームの中軸を担ってきた吉田正尚のメジャー移籍により手薄になりかけていた打撃陣だが、西武から森がFA加入してくれたことで、その穴は十分に埋まった。シーズン途中に左太腿裏の肉離れで離脱はしたものの、復帰してからも変わらず頼れる4番としてチームの中軸を担い、得点圏打率は.369と高い数字を記録している。
そもそも森は、WBC出場を辞退してまでオリックスの3連覇達成に向けて自主トレから汗を流してきた。そこには「自分が来たことで優勝できなかったら......」チームへの強い思いがあった。怪我から戻った時にも「自分が復帰して負けが続く、連敗が続くというのは避けたかった。チームの勢いそのままにいきたいというのはあった」と口にするなど責任感は相当強い。高校時代から旧知の仲の山岡泰輔や若月健矢の存在も大きかったのだろう、本人にとっては地元でもあるチームに溶け込むのは早かった。
一軍に戻ってきて「瞬発的なところがまだ鈍っていたというか、あまり動けないというかちょっと不安があった」そうだが「それを取り除く意味でも瞬発系を入れて(状態が)ちょっと良くなった」とのこと。ファームでは「振れない期間が少しあったのでまずは強く振るというのをこころがけてやっていたんですけど、強く振ろうとしても振れないというのがあって、もどかしいというか『なんやろうな』と思っていた」という。「ジャンプ系の動きを中心にメディシンボール投げたりというのを少し多めに取り入れた」結果、「構えているバランスから足上げてスウィングに行くときのバランスがすごく良くなった」そうだ。 ファームでは外野の練習も続けていた。「チームの状態がすごくいいので。どこでも試合に出られればいいですし、勝ちに貢献できるなら是非という気持ちで。ヘタクソなりに一生懸命頑張ろうかなと思ってやってました。焦って早く復帰して再発っていうのが一番嫌やったんで。しっかり治すってことだけ考えてました」。故障期間中もチームが好調を維持したことについては「すごいありがたかった。自分と見つめ合う時間ができたし、身体は万全の状態で一軍に合流できたので。そこはよかったのかな」と笑顔を浮かべていた。
マジックナンバーが点灯し、3連覇がいよいよ見えてきたが、森は「いつも通りやることが一番大事。もちろん、毎試合勝ちたいという気持ちはあるんですけど、変なことするっていうよりも、1試合1試合丁寧に。その積み重ねかと思います」と改めて気持ちを引き締めている。打線の中軸としての仕事を全うするのはもちろん、キャッチャーとしてもピッチャーと積極的にコミュニケーションを取りながらリードを続けていくつもりだ。
取材・文●どら増田
【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の"神童"対談を実現させたことも。
そもそも森は、WBC出場を辞退してまでオリックスの3連覇達成に向けて自主トレから汗を流してきた。そこには「自分が来たことで優勝できなかったら......」チームへの強い思いがあった。怪我から戻った時にも「自分が復帰して負けが続く、連敗が続くというのは避けたかった。チームの勢いそのままにいきたいというのはあった」と口にするなど責任感は相当強い。高校時代から旧知の仲の山岡泰輔や若月健矢の存在も大きかったのだろう、本人にとっては地元でもあるチームに溶け込むのは早かった。
一軍に戻ってきて「瞬発的なところがまだ鈍っていたというか、あまり動けないというかちょっと不安があった」そうだが「それを取り除く意味でも瞬発系を入れて(状態が)ちょっと良くなった」とのこと。ファームでは「振れない期間が少しあったのでまずは強く振るというのをこころがけてやっていたんですけど、強く振ろうとしても振れないというのがあって、もどかしいというか『なんやろうな』と思っていた」という。「ジャンプ系の動きを中心にメディシンボール投げたりというのを少し多めに取り入れた」結果、「構えているバランスから足上げてスウィングに行くときのバランスがすごく良くなった」そうだ。 ファームでは外野の練習も続けていた。「チームの状態がすごくいいので。どこでも試合に出られればいいですし、勝ちに貢献できるなら是非という気持ちで。ヘタクソなりに一生懸命頑張ろうかなと思ってやってました。焦って早く復帰して再発っていうのが一番嫌やったんで。しっかり治すってことだけ考えてました」。故障期間中もチームが好調を維持したことについては「すごいありがたかった。自分と見つめ合う時間ができたし、身体は万全の状態で一軍に合流できたので。そこはよかったのかな」と笑顔を浮かべていた。
マジックナンバーが点灯し、3連覇がいよいよ見えてきたが、森は「いつも通りやることが一番大事。もちろん、毎試合勝ちたいという気持ちはあるんですけど、変なことするっていうよりも、1試合1試合丁寧に。その積み重ねかと思います」と改めて気持ちを引き締めている。打線の中軸としての仕事を全うするのはもちろん、キャッチャーとしてもピッチャーと積極的にコミュニケーションを取りながらリードを続けていくつもりだ。
取材・文●どら増田
【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の"神童"対談を実現させたことも。
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