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大谷翔平、藤浪晋太郎、そして鈴木誠也——1994年生まれの3人は試練を乗り越え、ただひた向きに前へ前へと進み続ける<SLUGGER>

ナガオ勝司

2023.09.23

94年生まれの3人。それぞれ、メジャーリーグの舞台で苦闘しながらも自らの地位を確立している。(C)Getty Images

94年生まれの3人。それぞれ、メジャーリーグの舞台で苦闘しながらも自らの地位を確立している。(C)Getty Images

「翔平と藤浪っていうのは、僕の世代の中でもずっとトップを走ってきた人たちだったんで、僕もそこに負けないように何とか頑張りたいなと思います」――鈴木誠也(9月19日、日本人の右打者で歴代最多の同一シーズン19本塁打を記録した夜)

「先が見えなくなって不安になることもある」もがき苦しみながら、鈴木誠也は1ミリでも前に進もうとしている<SLUGGER>

 ボルティモア・オリオールズの藤浪晋太郎は、4月12日。
 ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は、7月5日。
 そして、シカゴ・カブスの鈴木誠也は、8月18日に生まれた。

 そう、彼らは同じ1994年生まれの29歳である。

 日本プロ野球で活躍し、今はメジャーリーグでプレーしている同世代の3人は今季、それぞれ浮き沈みの激しいシーズンを過ごしている。

 メジャーリーグ1年目の藤浪はオープン戦での活躍が認められ、先発投手としてオークランド・アスレティックスの開幕ロースター入りを果たした。

 ところが、メジャー初登板となった4月1日のエンジェルス戦で2.1回8失点で敗戦投手になるなど、阪神時代からの課題である制球力不足を露呈して中継ぎへの転向を余儀なくされた。

 中継ぎ転向後も制球難はたびたびニュースになったが、メジャーリーグへの適応を続ける中、6月以降11試合連続無四球を記録するなどピッチング内容は次第に良くなっていった。

 そんな藤浪に目を付けたのが、オリオールズだった。ア・リーグ東地区でレイズとの激しい首位争いに勝ち残るため、7月19日に藤浪をトレードで獲得した。
 藤浪は期待に応え、徐々に大事な場面で起用されるようになった。9月17日のレイズとの首位攻防戦でも9回に登板し、チームが延長11回にサヨナラ勝ちでプレーオフ進出を決めると、文字通り「勝利の美酒」に酔った。

 メジャー6年目の大谷は、まず3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場し、投手としては3試合で2勝1セーブ、打者としても打率.435、1本塁打、8打点の活躍で日本代表の3大会ぶり3度目の優勝に貢献。大会MVPを獲得した。

 エンジェルスでは、オープニング・ゲームでは史上初となる2年連続の「二刀流」で開幕投手を務め、4月は5度の先発で4勝、防御率も一時は0.47を記録するなど、幸先良いスタートを切った。6月10日のマリナーズ戦では投手として3年連続の100奪三振に到達。この月は、打者としても15本塁打を放ってホームラン王争いでトップに立った。

 オールスターにはア・リーグ最多得票で3年連続の出場を果たし、史上初となる2年連続の2ケタ勝利&2ケタ本塁打を達成。さらに同一シーズンで10勝と40本塁打を達成したメジャー史上初の選手になった。

 ところが、8月23日に右腕の疲労を訴えて降板後、右ヒジ内側側副靱帯を損傷していることが判明。打者としてはその後も出場を続けたが、9月に右脇腹も痛め、故障者リスト(IL)入り。19日に右ヒジの手術を受け、今シーズンを終えた。
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